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第5話 ■チュートリアル その1□

※魔王のステータスが勇者よりも格段に強いです。

 それからループスをもふもふし続けること30分。


 いきなり目の前にゲートが現れて、メフィスが帰ってきた。


「ただ今戻りました。………その様子だと、やはり襲撃してくる者はいなかったのですね。」

 メフィスがゲートをしまいながら言う。


「おかえりー。誰も来なかったから、ループスと一緒にリラックスしてた。」

「確かに、クロム様もお疲れでしょうし、ループスをおいて行って良かったです。」


「うん。とっても気持ちいいよー。」

 メフィスと話している間もループスをもふもふする手が止まらない。気持ちよくてくせになるよね、これ。


「あ、まだ教えてませんでしたね。」

「………?何を?」

「〈ステータス・オープン〉と唱えてみてください。」


 メフィスにそう言われ、私はループスから少し離れて

「〈ステータス・オープン〉」

と、唱えた。


 ……すると、目の前に、なんか黒っぽいような半透明のパネル?みたいなものが出てきた。なんか色々書いてる。


「それは、『ステータスパネル』というものです。そこに、クロム様のステータスが書いてあります。ちょっと私に見せていただけますか?」


 私にはよくわからなかったので、とりあえずメフィスにこのステータスパネルを見せる。


「おぉ…。やはり、さすがクロム様です。レベル1でここまでステータスが高いとは……。」


 いやいや、私元の世界では運動音痴だったのに、そんな驚くほど能力ないって。


 そう思いながらも、自分のステータスを見てみる。


──────────────────────

 レベル:1

 体力:5000  魔力:5000

 攻撃力:3500  防御力:3000

 物理攻撃力:1750  物理防御力:1500

 特殊攻撃力:1750  特殊防御力:1500

 知力:1000  命中率:1000

 素早さ:2500  運:1500

 職業:漆黒の魔王


 スキル:魔王の祝福

──────────────────────


 うん、ツッコミどころ満載だねこれ。


 私RPGゲームよく遊ぶからわかる。



 レベル1でこのステータスはチートでしょ!!



 それにさ、なにこの職業………

 普通に『魔王』とか、せめて『闇の魔王』とかならわかるよ?

 でも、『漆黒の魔王』て…

 わたしゃ厨二病か…!


 うーん……。私のステータスがこんなだから、もしかしたら勇者になった光凛たちの方はもっと凄いのかな。


 うん、そう思うようにしよう。



 自分のステータスパネルを見て、ふと疑問に思った。


「この『魔王の祝福』っていうのは何?」

「これは、代々魔王の座に就く者が持っている固有スキルです。」

「これ使ったらどんな効果があるの?」

「使用者のステータスを一時的に2倍にし、半径50m以内にいる敵のステータスを一時的に二分の一まで下げるといったものです。」


 ステータスだけじゃなくスキルまでチート級なのね………。でもだいたい魔王って勇者に倒されるのがオチだから、やっぱり光凛たちの方がもっとチート級なんだろう。



 ………ステータスパネルをじっくり見てたら、右下に『閉じる』って書いてあるのを見つけた。

「ねぇ、この『閉じる』ってとこ押したらどうなるの?」

「これを押すと、ステータスパネルを文字通り閉じることができます。」


 まんまじゃん。とりあえず押してみよ。ポチッとな。


 『閉じる』を押すと、ほんとにパネルが閉じた。便利だねー。


 あ、そういえばメフィスのステータスってどんな感じなんだろう。魔王の側近っていうぐらいだから、結構強いのかな。


「よし、じゃあ次はメフィスのも見せて?」

「承知いたしました。

〈ステータス・オープン〉」


 元の世界では絶対に使わないようなこの呪文にもだいぶ慣れてきた。



 「どうぞ。」

 メフィスのステータスパネルは、なんか紫っぽい感じ。これ人によって色違うんだね。


──────────────────────

 レベル:1253

 体力:10500  魔力:15000

 攻撃力:9800  防御力:10000

 物理攻撃力:4900  物理防御力:4500

 特殊攻撃力:4900  特殊防御力:5500

 知力:1600  命中率:4500

 素早さ:1450  運:3400

 職業:魔王の側近


 スキル:ゲート、影縫い、影渡り、黒霧、影の矢(シャドウアロー)影の分身(ドッペルゲンガー)漆桶の夜(ダークナイト)辛辣な日陰(スパイシー・シェード)影玉(シャドーボール)

──────────────────────

 うわぁ。長年生きてたのもあって私とは比べ物にならないくらいすごい。


 ………もしかして、メフィスが今私を殺そうと思えば殺せるんじゃ………。


 でもちゃんと職業に『魔王の側近』ってあるから、自称じゃなかったわけだ。疑ってごめんね。


「スキル名に『影』が多いってことは、メフィスの適正は『影』なの?」

「はい、そうです。

 もしクロム様がスキルを獲得すれば、スキル名に『闇』が付きますよ。」



 わかりやすくていいねー。



 メフィスのステータスの高さに感動していると、メフィスが

「私はレベル1の時、クロム様ほどステータスが高くなかったのです。なので、クロム様が私と同じレベルになった時、確実に私のステータスを超えるでしょう。」

とか言ってきた。


 そーなんだ。じゃあメフィスが心変わりする前にレベル上げ頑張って、早く追い越さないとなー。

 それに魔王より部下のほうがステータス高かったら、周りから色々言われるかもだし。


「では、そろそろしまいますね。」

「うん。見せてくれてありがと。」

「いえいえ。クロム様のお役に立てるなら何だってしますので。」


 メフィスはおなじみの『閉じる』をポチッとおして、ステータスパネルをしまった。


 てか、そう簡単に「何でもします」って言うもんじゃないよ………。

 クロムもメフィスもステータスがすごい高いですね。

 私もこんな感じのステータス欲しいです!

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