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第3話 ■それぞれの進む道□ ~魔王編~

 渦を通り抜けると、そこは、さっきとはまた別の宮殿のような場所だった。


 さっきの場所が明るく華やかなのに対して、こっちは暗い雰囲気だ。


 私がちゃんと通り抜けてきたのを確認してから、『メフィス』は渦を閉じた。

 なんか、こっちに来てから初めて魔法っぽいの見たかも。



「さて、魔王様。まずはお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」

 メフィスが私の方を向いて言う。


「えっと、『月影 黒夢』です。」

「『ツキカゲ・クロム』様ですね。承知致しました。」


 なんか、『ツキカゲ・クロム様』って長いし言いにくそう。

「あの、クロムでいいよ?ツキカゲまで入れると長くて言いにくいでしょ?」

「……!お心遣い感謝致します、クロム様。やはり、予言の通りでした。」

「予言…?」


 へー。この世界にも予言とかあるんだ。元の世界では予言なんてただの迷信みたいなのだと思ってたから信じてなかったな。


「はい。先代の魔王様がお亡くなりになられてからここ100年間、魔王の座は空席でした。」

「100年……!?」

「そうです。

 私たちはこの世界の至る所で魔王となるにふさわしい、"闇"の適性を持つ者を探していましたが見つかりませんでした。

 なので、1年ほど前、この辺りでも有名な予言者に、次の魔王となるお方は誰なのか予言していただいたのです。」


 100年間も魔王いなかったんだね。

 そりゃあ大変だったろうな。



 あれ?今、私たちって言わなかった?



「私たちって言うことは、まだ他にも魔王の部下がいるの?」

「はい。数えたことは無いですが、およそ100は超えているかと思われます。」


 えぇ。私、そんなに統率できるのかな……。

 今から不安になってきた。


「あ、そういえば、その予言の内容は?」

「『次の魔王は、異界より舞い降りし心の優しき人間』との事です。」


 あぁ、なるほど。心が優しいかはともかく、『異界より舞い降りし』と『人間』って部分はあってるね。


「あ、あと、さっき魔王になるのにふさわしい"闇"の適性を持つ者って言ってたよね?」

「そうです。魔王の座には、代々"闇"の魔法の適性を持つ者が就くのです。

 それとは反対に、勇者には"光"の適性を持つ者がなります。」


 へー。なるほど…。

 だから、さっき"光"の適性の出た光凛が『勇者 』って言われたわけね。


「じゃあ、100年間も"闇"の適性を持った人間が別の世界から召喚されなかったんだ。」


「はい。私も今回王城で、異界から勇者となる人間を召喚すると聞いて、もしかしたらと思い、あの場で隠れて見ておりました。」


 あ、そーなんだ。だから、すぐに出てきたわけね。






 魔王か…。まだ実感無いなぁ。


「ねぇ、これからどうすればいいの?」


「そうですねぇ…。

 まず私は、新たな魔王が誕生したと、皆に伝えて参ります。

 私が帰ってくるまで、クロム様は、この『魔王の間』にて待機していてください。それほど時間はかかりませんし、まだ新たな魔王が誕生したと言う話はそれほど広まっていないでしょう。

 なので、この城に侵入してくる輩はいないと思われます。

 ですが念の為、私の使い魔『ループス』を置いていきましょう。」


 そう言うと、メフィスは床に魔法陣を描き、そこに自分の血を垂らした。

 すると、なんかすごい体の大きい狼が出てきた。


 私、襲われないかな……?


 メフィスはその狼を『ループス』と呼び、私を帰ってくるまで私を護るようにと教えた。


 ループスは、メフィスの話を理解し、私に懐いてきた。


「しばらくの間よろしくね。」


 そう言ってループスの体を撫でてみたら、もふもふしていた。



 あぁ…。こっちに来てから初めての癒しだぁ。




 ループスが私に懐いたのを見て、メフィスは私に、

「これで私がいない間も安心ですね。

 では、行ってまいります。」

と言い、王城から来る時に使った渦を出した。


「王城から来る時も使ってたけど、それって何なの?」


「これですか?これは、『ゲート』と呼ばれる移動魔法です。クロム様も、魔法の扱い方を覚えれば、『ゲート』を使えるようになるでしょう。

 では、そろそろ皆に新たな魔王の誕生を伝えてきます。」


「うん、行ってらっしゃーい。気をつけてね。」

「承知致しました。」


 メフィスは『ゲート』の向こうへと消えていった。




 さて、メフィスも行ったことだし!

 私はループスをひたすらもふもふしよっかな!

 第3話にて、初の黒夢の苗字が公開されました。

 《月影 黒夢》ってなんかカッコイイですよね。

 次は、光凛、燎、陽瀬のそれぞれの苗字を出す予定です。

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