ラーメン啜ってたら宇宙改変してました
第8幕が開かれた──
皆、いなくなった。
なぜそんなにも軽く命を捨てられるのか、こんな私のために……
否、そそのかしたのは私だ。
唯一この場に生き残った私だ。
自責の念は熱々のラーメンで舌を火傷したかの如く、無情にもチキンナゲットの衣がぽろぽろと地面に落ちる。
泣いてなんかいない、だって、皆、私に希望を託したのだから。そう、託されたのだから。
だからこの一口を啜る。
チャーシューの肉片、魚粉の塊、短くふやけた麺、そして最期のピースはこの私自身。
あぁ、私の手足がどろどろに溶けたラードになってゆく。
全ては宇宙改変のため、
皆の気持ちもそうだったように、私も自分自身の気持ちにケリをつけるためその役目に殉じよう。
あれほどまでに広がったスープは、もはや私の一口で胡散霧消するまでに小さくなった。
銀河や星々、いや、分子原子素粒子までもがここに凝縮され、次元に空いた穴によってダイソン。
そして私自身も暗闇の中へとマヌハーン。
一筋の光もない、時も意識もない何色でもないナルコレプシー。
求めよ、そして知を得よ、
カンバスの上では全てが そう全てがフリーダムなのさ☆