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【十】白い封筒の謎

あれからいつもの様に夜を迎えて朝になった。

少し早めに起きて母が用意してくれた朝食を食べる。




昨日は狐の子に会いに行けなかったのが心残りだ。

今日こそは様子を見に行こう。そう思い狐の子へなにか役立てばと思い私が以前愛用していたブランケットを持っていくことにした。





朝食を済ませ甘いものをしている母に寄るところがあるからと帰宅が遅くなることを伝えた。

いつもは母が玄関まで見送ってくれるが洗い物をしている手を止めてもらうのも申し訳ないのでその場でいってきますと伝えた。





玄関で靴を履きドアの横にある大きな観葉植物にぶつかりそうになりながら扉を開けた。

玄関から門まで少し小さな庭がある。

数歩歩くと門の下に投げ入れるようにして封筒が落ちていた。




「なんだこれ?」




朝の郵便物を母が落としてしまったのだろうか。

手にとり拾い上げた。何も書いてない。

裏側を見てもそこには名前も住所も何も書いていない。


何も書いてないってことは誰かが意図的に入れたのだろう。一体誰がそんなことを。

それに封もされていない真っ白の封筒だ。




少し不気味に思ったが確かめない訳には行かないので

その場で封筒を開けて中を見た。





なに、これ。






昨日学校を出てすぐの私の写真、私が家に入ろうとしている写真。

彼方と一緒にお昼ご飯を食べていた写真が入っていた。



私は押し寄せる恐怖に全身に鳥肌がたち持っていた写真を落としてしまった。





「なんなのこれ。酷すぎる。」





私達の盗撮の写真を見た時も当然恐怖だったが何よりも私が手から落としてしまった理由は、彼方と私がお昼を食べている2人が写っている写真が原因だ。

その写真は彼方の顔だけが真っ黒にペンで塗りつぶされていた。




誰がなぜわざわざ私の家の玄関にそんな写真を置いていく必要があったのか、そしてなぜ私なのかが謎で仕方なかった。



この写真は母に見られてはダメだと思い落とした写真を拾ってカバンに押し込んだ。そんなことをしている間にも時間はたっていて、左手の腕時計を見るともう少しで乗る予定の電車が行ってしまうところだった。怪我をした足を引きずるようにして駅へ向かう。



ギリギリ予定していた電車に乗れたが右足はズキズキと痛み出した。辛うじて席には座れたので学校に着くまでに痛みがマシになることを願う。



電車に揺られながら、この事を彼方に伝えるべきか悩んだ。、自分が盗撮されていることに加え顔を真っ黒に塗りぶされていた事を知ると良い気はしないだろう。それでも伝えた方がいいに決まってる。彼方には会ってから状況を見て話そう。




時間はあっという間に過ぎてお昼休みになった。

昨日は校門で彼方を囲んだ女の子達がいたが今日は静かで居なかった。

彼方の姿も今日はまだ見ていない。

教室を見に行ったがお休みなのかやはり居なかった。

連絡先聞いとけばよかったな。なんて思ったり。




居ないのなら仕方がない。私は今するべき事をするか。

なにをするかと言えば犯人探しの様なことをする。

あの彼方との写真もこの時間に取られたものだったので私は校内を歩き回る事にした。




何故かと言うと校舎をあちこち動き回る私の写真が取れたならこの学校の人だという確信が出来ると思った。

まぁ中庭の写真なんて取れる人は学校の人しか居ないだろうけど。




もし、離れたところからの盗撮だった場合撮っていた場所くらいは特定出来て誰かを絞れるかもしれない。

それに私に動き回られてはカメラの死角に居る時は写真は撮れない。


でも、それがどんな死角にいようが撮られていた場合身近で近くにいても不自然ではない人物なのではないか?といった考えだからである。

だがどの写真が送られてくるは分からない。

でも少しでもなにか手がかりがあればいいと思った。



それから20分ほど校内を歩き回ったが誰かにつけられている感覚はない。

やはり遠くからの盗撮だったのだろうか。


このまま先生たちにバレないように5限目も校舎を歩き、写真が取られていなければ生徒だと言う確信も持てたが

午後の授業は英語だったので、あの先生に怒られては放課後が無くなってしまうので大人しく教室へと戻った。




席についた時、机の下からなにか教科書の間に挟まって奥まで入り切らなかったであろう飛び出た白いものが挟まっていた。





それを引っ張るり手に取る。

朝と同じあの“白い封筒”だった





まさかとは思っていたが本当にあの封筒だと分かると私は全身から血の気が引いた。



震える手を抑えつつ中身の写真を手に取った。















___そこにはさっき校内を歩き回っていた


私の写真が入っていた___。











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