1/27
【プロローグ】
夏から冬へと移り変わる季節の中、
降りしきる雨でうす暗い校舎の一室に雨音が響く。
そして私の目の前に立つ大好きな彼から突然告げられた
「俺と別れて。」
とその冷たく言い放たれた一言。
手に持っていた通学カバンがするりと足元に落ち、立ち尽くす私を彼は目もくれず教室から出ていった。
この数分の出来事があまりに突然過ぎて本当に今目の前に彼がいたのかどうかさえ分からず只々ボーッとその場に立ちつくす。
時計の針と雨音だけが耳の奥まで響く。
「あぁ。私振られちゃった」
中学生の頃から付き合っていた彼からの突然の別れ話。
この時の私は、この出来事をきっかけに彼に出会うなんて知る由もなかった。
彼と私の前世を。
これから先の人生を彩って救ってくれることを知るのはもっと先のお話。
【そんな私たちの人生と鬼録の呪いの物語。】
これから一体どうなるの私の人生。
【あやかし事件は喫茶店にて】~私たち前世と鬼録の呪い~