疑問
警察組織や政府内にも
既にクローンが紛れ込んでいて
殆どがクローンに乗っ取られている。
そんな中で クローン達が宣戦布告をした数日後に 数少ない人間側のお偉いさん達が、 各地で生き残っている人間を集められるだけ集めて、クローン対抗用の武器を配りクローン討伐を命じたのだった。
それから1ヶ月…
俺は美月や春輝や春菜達と行動を共にしながら、食料がある街中の無人のショッピングモールを俺達の拠点として、クローンとの戦いに明け暮れていた。
「あや、そっち行ったよ」
「了解」
シュッッッッ!!!!!!
「ぐほっっっ…」
「最後にもう一度だけ聞く。 俺の両親を殺したクローンはどいつで、今どこにいる?」
「ハァハァ…… し、知るか… 」
「そうか。 じゃあ、用無しだ」
ザクッッ!!!!!!!
「また収穫無しか。」
「まーこの辺りにいるようなクローン達はわからないんだろうね。 とりあえず基地に戻ろう。 武器の整備もしなくちゃいけないからね。」
春輝はもともと機械とかにも詳しいのもあって、当初俺が貰った武器は銃タイプであったが、銃がうまく使いこなせなかった俺の為に、今使っている剣タイプの武器を造ってくれたのも春輝だ。
〜〜〜〜〜〜〜♪
どこからか流れてきた音にため息まじりに目を向ける。
またか…。
《今日の綾斗様速報〜♪ クローンを滅多斬りしていく綾斗様は…〜》
「あやの特集だけは未だにやってるよね。 これ以外はTV放送されてないのに。」
春輝の言うとおりだ。
俺の特集だけが未だに変わらず
毎日TVやラジオで放送されている。
一体これを放送しているのは誰なんだ? そもそも、テレビ局に人間が残ってるとは思えない… って事はクローンか?
一度テレビ局に行ってみるか。
「春輝は先に戻ってろ。 俺は隣の市にあるテレビ局に行ってみる。」
「今から? そろそろ武器を整備した方がいいと思うけど?」
「いや、ちょっと見に行くだけだからいい。」
俺がそう言うと春輝はヤレヤレといった少し呆れた表情をしながら、俺に「わかった」と言い残して、美月や春菜達が待つ拠点へ戻っていく。
春輝を見送った俺はバイクに乗り
隣の市街地へと向かった。