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failure  作者: 御嶽 樹
序章
2/7

彼女




「佐藤が好きだ!」


ジリジリと日差しが照りつける

7月始めの放課後。


赤髪がトレードマークの

俺、高橋 綾斗(16)は

同い年のクラスメイトの女子

佐藤 美月を校舎裏に呼び出して

今まさに告白中だ。


「え…わ、わたしですか!?!?」


「そ、そうです…」


なんで俺まで敬語になってるんだ!!!

とか思いつつも、珍しい桃色セミロングの髪をなびかせ、震える小柄な美月を見て、あー俺絶対に振られるなって冷静に思ってみたり。



「やっぱ、俺なんか嫌だよな…佐藤と俺とじゃ釣り合わないしな…」


落胆する俺を見て佐藤は首を左右にめいいっぱい振る。


「わ、わたし…わたしも高橋くんが好きだから…」


「だよな〜…って、えぇっ!?マジで!?だって俺だよ!?」


「高橋くんだからだよっ!それに…高橋くんは自分が思ってるよりもカッコイイよ?結構女子で高橋くんカッコイイって言ってる子もいるし…」



いや、有名人ではあるけども… モテる云々ってのは、今まで告られた事もないからお世辞なんだろうけど、佐藤も同じ気持ちだったのはスゲー嬉しい…。


「じゃ、じゃあ…俺と付き合ってくれるって事?」


「はい…こんなわたしだけど…宜しくお願いします///」


「俺の方こそよろしく!えっと、美月…って呼んでもいいかな?」


「ふふ、はい!良いですよ!私も…あ、綾斗くんって呼んでも良いですか?///」


「もちろん!!つーか、良かったら一緒に帰らない?」


「あ、ごめんなさい… 今日はこれから用事があって…」


「そっか… まー急だしな」


「あの、今日はダメですけど…良ければ明日とか一緒に帰っても良いですか?」


「おう、 じゃあ明日一緒に帰るか!」



やべー…めちゃくちゃ幸せだ…。


「あっ!そうだ、綾斗くん!」


綾斗くんってまだ呼ばれ慣れなくて照れくさいな。


「ん?なに?」


「綾斗くんは好きな色とかありますか?」


「好きな色? んーやっぱ赤かな!戦隊モノとかでも、レッドが目立つし!」


「赤… やっぱり一緒ですね」


「えっ?」


「あ、もうこんな時間…わたしそろそろ帰りますね」


「あーそっか!用事あるのに時間取らせてごめんっ!!」


「いえ…綾斗くんの彼女になれるなんて思ってもみなかったから、嬉しかったです… じゃあ、明日また学校で…!」


美月は少し頬を赤らめながらそう言うと、俺に手を振り、駆け足で帰って行った。







人生初の彼女が出来た俺は浮かれていた。

全てはこの時から始まっていたとも知らずに…。

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