リトルカブ
フィクションです。登場する人物・団体等は架空の存在です。
実在する人物・団体等とは無関係です。
カブのタイヤを14インチにすればリトルカブと思うかもしれない。
基本骨格は同じだが、タイヤが小さな分下回りに工夫が有る。
レッグシールドやフロントフェンダー周りも専用設計。
可愛らしくデザインが破綻しないように考えられている。
サスペンションの設定も少し違う。柔らかい様な気がする。
仲間内で流れてきた車体で程度は良くも悪くも無い。
セル付き4速でも丸いライトなのが良い。
普段使いならモンキーより良いだろう。長距離を走るのが楽だ。
少し色あせた表面をコンパウンドで磨くとキレイになった。
レッグシールドの劣化は目立つが、これは交換してしまえば良い。
これを買ってくれたら楽で良いのになぁ・・・
そんな事を思っていると馬鹿デカいゼファーが来た。
何と言うか、ゼファーの姉ちゃん・・・凄いな。
タイトミニのスカートでバイクに乗るか?こけたら大怪我やで。
目の保養になるのは良いけど・・・きつそうな女だこと。
セミロングの髪、左目の下の泣き黒子。タイトミニで黒いストッキング。
20年ほど前にやってた何たら言うアニメの女博士みたいだ。
葛城さんが羨ましがるのは解るけど、真似してなれるもんではないと思う。
「こんにちは。白バイのお巡りさんの紹介で来ました。」
彼女は声もセクシーだった。
「葛城さんから聞いていますよ。どうぞ中へ」
磯部リツコと名乗った彼女は、速人の予感通り高嶋高校の先生だ。
聞けば高嶋高校のOGだと言う。
コーヒーを飲みながら話す。ホットコーヒーが美味しい季節だ。
「へぇ。大島さんも高嶋高校OBですか。じゃあ私の先輩ですね。」
「バイク通学不可の頃ですから。ずいぶん昔です(笑)。」
「私の頃はバイク通学の規則が固まった頃で、今と同じ感じですね。」
話した感じでは見た目と違って優しい娘の様だ。
「通学で乗っていたバイクは何ですか?昔からカワサキですか?」
「いいえ。その頃乗ってたのはヤマハの・・・ミント?」
ヘルメットの入らない8インチタイヤの古いスクーターだ。
「ああ。小さいタイヤの可愛らしい原付ですね。」
「お祖母ちゃんからもらったんですよ。それでバイクにはまりました。」
なるほど。じゃあスクーターが良いのかな?
「ゼファーにはいつから?」
「大学の時に(大型自動二輪)免許を取ってからです。そろそろ
大事にしないといけない年式になってきました。
それに、普段、お買い物に行くには重くって。」
「なるほど。それで小さなバイクですか。」
「学生が乗ってるモンキーを見たら可愛いなって。でも、
高いんですよね。ちょっと手が出ない値段で。」
「まぁ、試しに乗ってみますか?私も持ってますから。」
モンキーじゃなくてゴリラだけどと言って乗ってもらった。
「クラッチは遠心で、シフトは4速ロータリー。踏んでアップです。」
「一回りしてきて良いですか?」
小さなバイクだから気を付けてと送り出す。
タイトのミニスカートで乗って良いのかな?角度によっては
見えてしまうのではないか?心配だ。
数分後、彼女は戻って来た。タンクでスカートの中が見えない。
なるほど。上手く出来ているもんだ。
表情から察するに、彼女はどうやらゴリラがお気に召さなかったらしい。
「小さすぎて怖いですね。視線が低すぎて怖いです。」
ゼファーと比べると仕方ない。
「もう少し大きいバイクだと、リトルカブが有りますけど・・・。」
「これだと大丈夫かな?でも、50㏄だと・・・。」
「予算次第ですけど排気量を変えて2種登録出来ますよ。」
「10万円までで出来ますか?」
「多少の妥協が必要ですが出来ます。何CCで作りましょう。」
「この子と同じで。」
ゴリラのタンクを撫でながら彼女は言った。
磯部が高校~大学2年まで乗っていたヤマハミントの話は
『私はオートバイ』にて。




