公道レースはダメ!絶対!
綾のDioは慣らし運転を終えて時速60㎞巡航が出来る様になりました。
プーリー加工はしたけど最高速は頑張っても時速70㎞に届くかどうか。
理恵・速人・亮二と同じスピードで走れるのが嬉しい・・・
という設定。
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは関係ありません。
9月になって少し涼しくなった。理恵たち4人組は毎度の事ながら
暇つぶしに最高な図書室に集まって本を読んでいた。
「じゃあ、慣らし運転も終わって60㎞で走れるんだ。」
「うん。亮二に付き合ってもらってあちこち行ったから。」
「これがまたアクセル捻りっ放しでギヤチェンジが無いから
速いんだ。加速では歯が立たねぇ。」
夏休み序盤に課題を片付けていた綾と亮二は
慣らし運転と称してあちこちに出かけていたそうだ。
蒔野・朽樹・真旭・安曇河と高嶋市内の道の駅は全制覇した。
理恵は速人と課題を片付けていたので知らないが
二人の仲はそれなりに進展をしている様だ。
「この前な、2年生に勝負を挑まれて。」
「誰に?」
「2年の大村先輩。」
「DAXの?」
「亮二は知ってるの?」
「俺が免許取って暫くした頃おちょくりに来た。」
やれやれと言った感じで亮二は答えた。
「今都の奴ってさ、何でも1番、何でも俺様なんかな?
鬱陶しかったから勝負するフリしてコンビニに入った。」
「ふ~ん。それで終わり?」
「うん。終わり。放っておけばどうって事無い。
88㏄だか何だか知らんけど俺のエイプは100やしな。
ミッションも5速。負ける訳無いけど・・・。」
「負けないけど?何?」
「違反したくないからな。車の免許取るときに困るし。」
◆ ◆ ◆
「・・・・・。」
「おっちゃん。ゴメン。悪かった!だから止めて~!」
公道で競走(?)をしようとした事を話した途端
理恵は左右のこめかみをグリグリされる羽目になった。
「・・・・・。」
両手の中指を立てた拳骨でこめかみを挟んでのグリグリ。
何処かの漫画で見たような技だがこれはかなり痛い。
「ギャ~おっちゃん!悪かった。ゴメンもうしません!」
「・・・・もう危ない事はしたらアカンで。」
グリグリは止まらない。
「だから止めて~グリグリは止めて~」
今回は幸いに事故を起こす事も違反をして
免許の点数が減る事は無かったから許す事にする。
「ふむ・・・なら止めるか。」
「叱り方が昭和なんだから・・・。」
こめかみを抑えて理恵が抗議するが無視する。
「あ~面白かった。」
大笑いしていた速人
だが、大島を見て表情が凍りつく。
「止めずに見ていたなら・・・有罪」
速人のこめかみにも大島のグリグリ攻撃が炸裂した。
大島は昭和生まれでタフな時代に育ったせいか子供に容赦しない。
嫌われたとしても公道レースなんかで危険な事はさせたくない。
事故で人生を狂わせるほうが辛いのだから。
大島のグリグリ攻撃は先代から伝承されました。
こめかみにすればお仕置き、足の裏にすれば罰ゲーム
肩・腰にするとマッサージになります。




