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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
8月
61/200

Dio納車

フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です

今日は綾ちゃんがDioを取りに来る予定の日だ。

エンジンをかけて、少しでも多く慣らし運転をしておく。


昨日、市内で慣らし運転していたら通報されてしまった。

念の為とガソリンに混ぜた2ストオイルが多過ぎた様だ。

減った分のガソリンは混合ではなく単なるガソリンを入れた。

煙は少し減った。これなら通報されないだろう。

大島が走らせた慣らし運転の距離は約100㎞


(これだけ走らせて異常が無いならOKか・・・)


「おはようございます。バイク出来てますか?」

「オッチャンおはよ~。」


綾ちゃんと理恵だ。ゴリラは2人乗りが出来ないので

押しているが理恵がゴリラを押すと普通の大人が400㏄クラスの

バイクを押しているように見える。


「おはようさん。出来てるで。」


「何か(けむ)いね。何したん、これ?」


「慣らし運転でな。ガソリンにオイルを混ぜてるんや。」


「オイルは別に入れるんじゃないんですか?」

綾ちゃんが不思議そうな顔をして聞くので

慣らし運転の事と合わせて説明することにした。


「普通は混ぜんでよいけどな、エンジンの部品を換えたから

馴染むまでの間、少しだけ混ぜてやると馴染みやすいんや。」


「おっちゃん、私の時『しばらくゆっくり走れ』って言うてた

あれの事?ブーツイン?だっけ?」


「理恵、それを言うなら『ブレークイン』や。」


「じゃあ、まだ(みんな)と同じスピードでは走れないんですね」

がっかりした様子の綾ちゃん。


「今までよりは速く走れるで。昨日100キロほど走らせて慣らした。

とりあえず1週間ごとにだんだんスピードを出して行こう。

まずは来週1週間は40㎞/hまで、次の週は50㎞/hまで。

その後は普通に乗ったら良いよ。」


「何か面倒だ(めんどい)な!」


「う~ん。今回はオッチャンも初めてやる改造やしな。

面倒でも安全マージンを取りたいんや。」


「距離だとどの位ですか?100㎞ごとですか?」


「うん。100㎞走るごとに10㎞/hアップしてくれたら大丈夫やろう。」


「じゃあ、今日で20㎞やね。」

「うん。」


「今日は二人とも制服で学校か?」


「うん。速人ともう一人で図書室。」

理恵の表情が暗くなった。


「綾ちゃんは読書しそうやけど、理恵は・・・。」


「課題です。みんなで監視して読書感想文の片付けです。」


「も~本の感想なんか『面白い』『つまらない』で良い(ええ)んや~!」

(わめ)く理恵を放置して綾ちゃんから代金を受け取る。


「タイヤと今回の改造で車体よりお金が掛かって申し訳ない気分や。」

整備代は学生割引と思って安くしたつもりだけど、

部品代もかかっているから安くするにも限度がある。


「女の子には勝負どころが有るんですよ。」

と微笑む綾ちゃん。


(何と勝負するんや?)


「綾ちゃん、行こう。亮二が文句言うで。」

「じゃあ、おじさん。行ってきます。」


「おう。気をつけてな。」と2人を送り出す。


(要望通りになっていると良いが・・・)

久しぶりのスクーターの改造、しかも正体不明の部品で

エンジン内部の改造だ。大島は心配だった。

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