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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
8月
55/200

それぞれの夏

Tataniの様子が外注していた店に知れたようです。


取り引きを継続するか止めるかは社長次第・・・


フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。


久しぶりの有給で体は楽になったが、気分はスッキリしない。

中村は高嶋で聞いた事を社長に話した。


「何があったんですか?」

聞いてくる若いメカニックたちに中村は動画を見せた。


「高嶋のバイク店が言うには、この動画のバイクが

Tataniの客らしい。ナンバーを見てみ。」


「・・・・・。」

「高嶋市ナンバー・・・原付登録か。」

「何で原付登録出来るんだ?」

驚きを隠せないメカニック達。


「地元では評判が悪いらしくてな。整備を引き受ける店が無い。

そこで、遠く離れた対岸のウチまで持って来る訳やな。

こんな事してたら、そらなぁ・・・。」


「・・・・・。」

「書類が積んでなかったりナンバーが付いて無いのは・・・」


「多分、不正登録を隠してるんやろうな。

どう対処するかは社長の指示を仰ごうか。」


「お~い。ちょっと良い(ええ)か?」


事務所から出て来た社長は工場の整備士に

今後Tataniのバイクに限らず

ナンバーと車検証・書類が無い場合は整備は引き受けない。

持って来ても整備は引き受けないことを伝え

「他の店とも話をする。」と事務所へ戻っていった。


◆      ◆      ◆


「琵琶湖の反対で整備に出しとったんか?」

大島が渡したアイスキャンディーを齧りながら

高村ボデー社長の高村は驚きの声を上げた。


「ナンバーを外して整備に出しているみたいですね。」


「向こうは何も知らんと修理してる訳か。」


「そうみたいですね。工場に戻って上と相談するみたいですよ。」


「ついでに周りにも『Tataniは怪しい』って伝えてくれたら

追い詰める事が出来るんやけどな。その辺はどう言うとった?」


「そこまで話はしていませんけどね。」


「まぁあれや。向こうで噂になれば、そのうち警察も動くやろう。

こっちは田舎で緩やかな所が有るからな。」

高村社長がニヤリと笑う。


「社長、それを狙ってましたね?」


「フフ~ン♪」

高村社長は機嫌良さそうに扇風機の風に当たっている。


この人を怒らせると怖い。敵に回す事だけは

避けなければならないと思う大島であった。


◆      ◆      ◆

「あのさ、こんなに天気が良いのに、何で私たちは

こんな所でノートを広げてるわけ?夏休みなのに!」

と、不満を言う理恵に


「『冷房が効いたところで勉強しよっ♡』て言ったのは誰?」

「『綾ちゃんも来るよ♡』だったっけ?」

綾と速人がつっこんだ。


高嶋高校の図書室はエアコンが効いて心地よい。

夏休みの小学生や親子が来ることも無く

静かで課題を方付けるにしても読書するにしても

快適な空間なのだ。


「何であんた達は余裕なのよ~」


「「予定を組んで計画的に課題を片付けたからです。」」


「じゃあさ、亮二は何で余裕なんよ?」


「俺は7月中にやっちゃう派。8月は遊ぶだけよ♪」


「じゃあ何で来たの?」


「「「お前が『勉強教えて~。』って泣きついて来たからや!」」」

3人につっこまれては元気満点の理恵でも太刀打ちできない。

半泣きになりながら課題に向かうのだった。


「俺達は本を読む為に来たようなもんよ。

解らん所が有ったら言うてな。」


3人はそれぞれ読む物を探しに本棚へ向かった。







佐藤(さとう) 亮二(りょうじ)

理恵・速人・綾の同級生。愛車はエイプ100。

3人とは別の店で購入。


大島サイクルで買おうとしたが

「縦型エンジンはもっと良く知ってる店が有るから。」と

車輪の会(ホイラーズクラブ)会員の店を紹介された。


がっしりした体格。やや背が低いのがコンプレックス(167cm)

ヤンチャ坊主っぽい笑顔が女子受けするらしく実はモテる。


女子からは『サトにゃん』と、どこかのお城のキャラクターみたいな

ニックネームで呼ばれている事を本人は知らない。


・・・という設定。 

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