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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
48/200

商売人の勘

今回の大島は、手間を省いてゴリラを1台組み立てました。

その理由は・・・。


フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。

「おっちゃん。私、何か悪いことしたんかな?」

すっかり落ち込んでいる理恵。


理恵に近付き格安でミニバイクを手に入れた同期の子は

その後、全く理恵に近付くことは無くなったそうだ。


「今都の人間は欲しい物を手に入れるのに手段は選ばない。

使える物は何でも使う。用済みになったら容赦なく切り捨てる。

邪魔になる物は全力で排除する。タダで使えるならあらゆる手段で使う。

そんな人間や。おっさんが今都が嫌いな理由が分かったやろ」


「おっちゃんは最初から解ってたん?」


「今都って時点で信用は出来んけど、商売人としての勘やな」


「勘?」

理恵は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


「礼に気持ちが入ってなかったな。剣道で型だけは教わったかも

知れんけど、相手を見下してする礼なんか一目でわかる。」


「そんなもん?」


「剣道ってな、ガチガチに防具で身を固めて竹刀で相手を叩くやろ?

『自分は叩かれるや痛いのは嫌だけど、人は叩きたいです』って

公言しているスポーツや。性格が悪いの丸出しやで」


「それは言い過ぎやと思うけど」


「そんな今都の人間を象徴するような事をしていた者は信用ならん。

だからこちらもそれなりの対応をした。見た目はそこそこでも中身(エンジン)はクズ。

今都の人間にピッタリの内容にしてある」


「友達が増えたと思ったのに・・・」


「ええ勉強になったやろ?今都なんかクソが住む街や

息をするのと同じ感覚で人を騙して利用するんやから」


理恵は膝を抱えて泣きだした。


◆          ◆         ◆

湖の対岸にあるバイク店。


「高嶋市・セレブリティ―バイカーズTataniで検索・・・と」


「あれ?主任(チーフ)、何調べてるんですか?」


「ん?俺もTataniのバイクに違和感を感じるからな。

ヤホーで調べてみようかいなと・・・」


「売るだけで修理をしない店って珍しいですよね。」


「『Tatamiではありませんか』って出たぞ。Tatamiで再検索

・・・・畳って外国人に人気が有るんやな」


「高嶋市・バイク店・評判で検索したらどうですか?」


「平津オートはクラシックバイクの店やな。その他は

原付きや小型・・・自動車店がついでにやってる感じか」


「あ、これじゃないですか?」


「地図と電話番号しか載ってないな」


「ツーリング好きのお客さんに聞いてみましょうか?

高嶋の人と交流が有るかもしれません」


「取引先の事を疑うのは良くないとは思うけど、怪しいよな」


「Tataniさんの客層とかぶらない辺りで聞いた方が良いですね」


主任(チーフ)が画面をスクロールさせて何かを見つけた。

「大島サイクル?自転車屋がバイク・・・いかにも田舎やな」


「『※125㏄まで』ですか。カブでも直すんでしょうか?」


「口コミに悪い事は出てないな。客層は学生・・・通学用か」


「大島サイクルで検索・・・と」


「あれ?イベントに出てるみたいですね。」


「浜大津のイベントやな。パワーチェックに3台出てる。

でも、たいした数値は出てないな」


「ゴリラとモンキーの子は16歳ですね。通学に使ってるのかな?」


「ここに聞けば解るかな・・・」



予約だけして「やっぱり要らな~い。」とキャンセルする奴っていますよね。

大きい店だと有りかも知れませんが、小さな店では大打撃です。

ほぼ特注ですから在庫しても他の人が買わないかもしれませんからね。

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