大島のソロツーリング
本日定休日
フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。
実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。
平日の定休日。
特に役所回りや溜まった家事が無かったので
大島はソロツーリングに出かけることにした。
ゴリラのトップケースに雨具と少しの工具
ついでにクーラーバックを積んで、
目指すのは近江八幡に在る有名な御菓子屋だ。
安曇河からひたすら国道161号線を南下して琵琶湖沿いを走る。
志賀バイパスに乗れないゴリラだが、今回は悔しくなんかない。
バイパスを降りた後の琵琶湖大橋までが渋滞するからだ。
真野から琵琶湖大橋までも混むが、原付なら問題ない。
脇道を通れば良いだけだ。
琵琶湖大橋を超える時に小排気量故にパワー不足は感じるが
何の事は無い。左に寄ってゆっくり走れば良いだけだ。
琵琶湖大橋は琵琶湖周航の歌が聞こえるメロディーロードだが
聞こえるのは守山方面行の右車線のみ。
残念ながら原付2種では走ることは出来ない。
料金所で10円を払い湖岸道路に入る。
一時期は廃墟の様になっていたショッピングモール前を過ぎ
左手に琵琶湖を見ながら北上する。
平日だからか、すれ違うライダーは少ない。
昔、ライダー同士ピースサインを出すのが流行ったが
今は殆ど無い。
四十路を過ぎて数年経つ体に夏の暑さは堪える。
途中にある観光客目当ての商業施設に入り、
水分補給をする。
あとはひたすら近江八幡へとクルージング。
信号が殆ど無い湖岸道路だが、強引に追い抜く
大型車がいるので気は抜けない。
渡合橋を渡り、しばらく走れば目的地の御菓子屋だ。
駐輪場にゴリラを停めて店に入る。
店内で持ち帰り不可の菓子を食べ、小さなバームクーヘンを買い
保冷剤と共にクーラーバックへ入れる。
再び湖岸道路へ向かい、また北上する。
今度は北回りルートで帰宅するのだ。
淡々と湖周道路を走っていると彦根城が見える。
ひこにゃんに萌える歳ではないのでスルーする。
(湖の反対は賑やかだねぇ。)
長浜ドーム、長浜城などは全く興味が無い。
中学の頃、社会科担当の教師と折り合いが悪かったからだろう。
大島は歴史・地理・政治経済に全く興味が無い。
ひたすら湖岸道路を走り大音の交差点を左へ曲がる。
ここからはアップダウンとトンネルが多い難所だ。
この辺りのトンネルは古い物が多い。
後から追い抜いてくる車に冷や冷やしながら
アクセル全開で走り抜ける。
奥琵琶湖トンネルを抜ければ高嶋市に入る
野口の交差点を左折すると田園地帯が広がる。
如何にも薪野といった風景だ。
薪野にも道の駅は有るが、得に買う物は無いのでスルーする。
薪野からは国道161号線バイパスをひた走り真旭を通り抜ける。
国道161号線バイパスが出来てから今都は単なる通過点でしかない。
淡々とゴリラを走らせて安曇河へ滑り込む。
家に帰ると真っ先に冷蔵庫へバームクーヘンを入れる。
自分自身へのお土産だ。明日の休憩に食べよう。
いくらバイクが好きでも丸一日走り続けると疲れてしまう。
風呂で体の汚れと疲れを洗い流し、軽く夕食を済ませ
大島は眠りについた。




