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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
44/200

右足を使わないバイク

大島と今都の人間は相性が良くありません。


フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。

理恵が連れてきた藤谷(ふじたに)さんは

右足を使わずに乗れるバイクを希望だという。


「以前、剣道をやっていたんですけど右足首を痛めてしまって。」

と見せてくれた右足首には手術跡が在った。


中学生の時は強い選手だったそうだ。

剣道部主将になり、礼儀作法が成っていなかった

剣道部をまとめていたらしい。


だが、顧問は礼儀作法など不要と考える

結果主義だった。


足首を痛めてから思う様に成績が残せず

苦悩していた藤谷さんを


「成績が悪い選手(ゴミ)は要らないから辞めてね。」


と無断で退部手続きをして追い出したらしい。


「普段の生活では大丈夫ですけど、体調によっては痛くて。」


「スクーターは駄目かな?両足フリーになるけど。」


「オートバイらしい形のバイクが良いんです。」


母の勧めで受けた高嶋高校。

家から近い。中学の同期にあまり会わない。

そんな消極的な理由で入学したのだが、

中学校と同じ今都に在るとは思えない楽しい雰囲気だったらしい。

クラスに馴染み周りが見えるようになった頃、

楽しそうに小さなバイクに乗り学校へ来る理恵を見つけて

興味が湧いて声をかけたそうな。


バイクの免許を取りたくなったので母親に言うと

普通の母親からすれば反対になるはずだが、何せ

母親自身がバイク乗り。


「あんたも少しは馬鹿な事をしなさい。」

と積極的だったそうな。


「せっかく取るんだから。」とMT車で免許は取ったが

教習中も右足首は痛み、熱を持つ日が有ったらしい。


「そう言えば、いつやったかな?理恵がオートマの

モンキーが出来ないか聞いて来た事が有ったな。

この子の為か?」


「うん。おっちゃんに聞いた後でネットでも調べた。」

「二人で調べたんですけど、やっぱりエンジン自体が少なくて。」


「あのなぁ。オートマでもモンキーのブレーキは右足やぞ。」


「あと、何か変な所が壊れるって出てた。」


そんな話は聞いた気がする。

「メーカーさえこだわらなければストリートマジック110なんて

バッチリなんやけど、生産終了から長く経ってるしな・・・。」

と提案したが


「初心者にスズキはきついでしょ?やっぱりホンダよ。」

と、お母さんに却下された。


スズキは個性的なバイクが多くコアなファンがいる。

面白いバイクは多いが初心者ならホンダの方が良いか。


「じゃあ、オバちゃんは何でヤマハなん?」

理恵は妙に鋭い所を付く。


「ひ・み・つ♡」

なかなか愉快なお母さんだな。


「ところで、二人の名前を教えてもらわんと。『娘さん』

『お母さん』では呼びにくいで。」


「私は久子(ひさこ)で娘が(はな)。よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

美しい礼だ。でも、何故だろう?違和感を感じる。


「藤谷久子さんに華さんやね。」


新しい常連さんになるのだろうか。

だが、所々で感じる違和感は何だろう。


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