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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
38/200

オートマチック?

シャリ―と言うバイクにカブのエンジンを自動変速にしたものが

在ったそうです。たまにカスタム誌で出てきたりします。


フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。

「おっちゃんの所はスクーターはやらんの?」

雑誌を見ながら理恵が聞く。


「ん?お前の友達に1台買うてもらわんかったか?」


理恵の友達はあまり店に来てくれない。

調子良く乗っているのは理恵から聞いているが、

たまに来てくれないと寂しい。


「何となくスクーターが少ないかな~と思っただけ。」


地域性からして仕方の無い面はあるのだが、確かに少ない。

大島サイクルの客は通勤・通学にそこそこの距離を走る。

道の流れも速いので50㏄のスクーターは辛いのだ。


「整備はするけど改造はせんで(しないよ)


「ふ~ん。じゃ、私のみたいに黄色ナンバーで60㎞/で走れる様には?」


「昔は出来たけど止めた。」


以前は50㏄でも書類を出せば原付2種登録は出来た。

ところが、排気ガス規制後に厳しくなった。

4ストロークの50㏄スクーターを2種登録したスクーターが

遅いのに自動二輪と同じように走って交通の妨げになったらしい。

今ではシリンダーを確認されるようになった。

刻印が50㏄だと原付1種に登録やり直しになるらしい。


「同じバイクで余分に税金を納めてもらえてこちらとしては

歓迎しますけど・・・。」

と、言いつつ登録してくれた頃が懐かしい。


最近のスクーターは排気量アップできない構造だ。

昔の様にシリンダーとピストンだけを換える事が出来ない。

クランクケースとシリンダーが一体になっているからだ。

排気量アップとなればクランクケースも分解して・・・

そこまでやるならもう少し大きなスクーターを買う方がマシ。


「それにな、タイヤも車体も小さいから長距離は辛いんや。

高嶋高校まで通う学生がメインのうちではカブが多くなるな。」

これが一番の理由である。


「でも、私のゴリラは何とも無いで。」


「根本的にスクーターとゴリラは違う気がするな。

同じ原付やけどニーグリップ出来るしな。」


「どっちにしろ私はゴリラしか乗れへんわ。

カブは足が着かんもん。」


理恵はゴリラでも(かかと)が浮く身長で、

モンキーだと踵は地面にべったり着く。

カブに乗ると爪先立ちになる。


「まぁ大きなったら乗れるやろう。

でも、何でスクーターの事なんか聞くんや?ゴリラでは不満か?遅いか?」


「ん~。オートマがあったら楽かなぁって。」


「カブやモンキーには無かったけど、オートマはあったで。」


「在った?今は無いん?」


「シャリィ―やったかな?お買い物に使うソフトバイクって奴に

自動変速の奴が在ったらしい。見た事無いけど。」


「それのエンジンを積んだらオートマ?」


「らしいな。たまに雑誌で出てくる事が有るな。」


「ふーん。何で無くなったんかな~?」


理恵はバイクの機械的な事は解らない。乗るだけだ。

だからであろうか、突拍子もない事を言うので驚いてしまう。


(自由な発想の中に真理があるのかもしれんな。)


理恵を見ているとそう思うのだった。



昔は2ストロークエンジンの全盛期で標準グレードでも6馬力以上ありました。

オバちゃんが買い物に使うスクーターでも理恵の乗る75㏄ゴリラより

速かったのです(理恵のゴリラは6馬力少々)

4ストロークエンジンのカブ系=燃費が良いけど遅いイメージがありました。

今の技術でカブ系のオートマ車を作れば売れそうな気はします。

そんな事を思っているうちにモンキーが生産終了です。寂しいですね。

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