イベントを楽しむ②出店を見る
イベントで困るのがトイレと食事です。
混んでいたり選択肢が少なかったりでイベントが台無しになる事もあります。
今回のイベントはどちらも完璧な様です。
フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。
実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。
大島は基本的に遠出はしない。
だからイベントに関しては初心者である。
パワーチェックを見て
(理恵のエンジンは当たりが付いたな。)
(速人は初めて組んだエンジンの割になかなか・・・。)
(葛城さんのエンジンは当たりだな。)
と仕事モードで見ていた。
ちなみにTataniのバイク達は1台目はよく見ていなかったが
(イマイチパワーが出ていないみたいだな。)
(燃調が薄すぎ。マフラーが抜けすぎ。焼き付くな・・・。)
(変な音だなぁ。タイミングチェーンが緩んでる?)
(オイル?潤滑が上手くいってないのかな?)
と、こちらも仕事モードで見ていた。
一方、葛城は予想外に準備周到であった。
世界的な自動車バラエティー番組のキャラクターと
女子高生とバイクを題材にした漫画のコスプレをしようと
理恵と打ち合わせていたのだ。
2人はパワーチェックでは徹底的にキャラを演じ場内を湧かせた。
バイクへ戻ってきて撮影に応じて楽しんでいた。
そんな撮影も一段落して二人は元の服装に着替えて
戻って来た。
大島のゴリラと葛城のカブに取り付けたボックスへ
荷物を片付けて出店を見物することにした。
「おっちゃん。これって私の(ゴリラ)に付いてるタイヤ?」
「ああ。ダンロップのTT100やな。速人のもそうやな。」
「何でこのタイヤなん?」
「ノーマルは可愛いブロックタイヤやけどな、アスファルトで使うと
ゴロゴロと振動して手が痺れるさかいな。」
「ふーん。ノーマルは知らんけど。」
「こっちの工具は光ってますね。」
自分で修理するようになったからだろうか
速人は工具が気になる様だ。
「KTCのネプロスか。これは良い物やぞ。
ウチも工具はKTCが多いな。」
「どうしてですか?」
「コストパフォーマンスと近所で買えるからやな。」
不思議な事にKTCの工具は近所のホームセンターで買えるのだ。
KTC派の大島にとってはありがたい事であった。
「TONEやコーケンも良いけどな」
「いろいろなヘルメットもあるね~。」
「ヘルメットは大事ですよ。本当は胸部プロテクターも
着けたいところですけどね。」
事故を経験している葛城さんらしいお言葉だ。
「へ~B級グルメのお店も来てるんや。」
食事やトイレで困るイベントも多いと聞くが
なかなか揃っている様だ。
若い3人は楽しそうに屋台巡りをしている。
(3人ともよく食べるな・・・若いねぇ。)
「おっさんは他を見てくるしな。何か有ったら携帯で呼んで。」
3人に一声かけてからブラブラと会場を歩く。
最近のイベントは暴走族まがいの輩はお断りなのだろうか。
名古屋の鯱みたいなカウルのものや、応援団の如く旗をなびかせる
旗棒付きの車両は見かけない。
携帯が鳴った。メールだ。
「おっちゃん何処にいるん?」
理恵からのメールに返事をして再度合流した。
哀しいかな志賀バイパスに乗れない125㏄未満の我々は
早めに引き上げることにした。
「Tataniの連中と一緒にならないかな~あいつら嫌いや~」
インカム越しに理恵が言っているが大丈夫なようだ。
4台中3台が壊れていたからね。回送の手配が大変だ。
「あの人たちのバイクは壊れてたよ。」
「いつの間に?見てなかったよ~。」
「二人が写真を撮られている時やな。何時の間に仕込んだんや?」
「メルアド交換してたんですよ。」
「雑誌に載るかもしれんね。顔は出てないけど。」
幸い往路と違って変な連中に会う事は無かった。
暑いのでコンビニで冷たい物を食べて熱中対策をする。
雨も降らず、熱中症や脱水症状になることも無く。
バイクの故障も無い快適なツーリングだった。
「じゃあ、家に戻るまでがツーリングだから気を付けて。」
無事に安曇河に戻り、解散となった。
後日、自分たちが載った雑誌を見た葛城と理恵が大喜びします。




