TEAM Tatani到着
ツーリングに限った事ではありませんが、
事前の計画が甘いと酷い目に会います。
※フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は架空の存在です。
実愛する人物・団体・地名・施設・その他等とは一切無関係です。
セレブリティ―バイカーズTatani代表の他谷と整備員
そして、数名の客は疲労困憊で浜大津に着いた。
出発から波乱の幕開けだった。
高嶋市を出るまでに脱落した者、脱落した部品も有った。
志賀バイパスに入ったとたんに隊列は分散した。
誰が何処にいるかもわからない。
爆音のマフラーは限度を超えた爆音だった。
乗っている自分のバイクが出すマフラー音で耳が疲れる。
見てくれを良くするために車高を下げたのサスペンションは
路面の凸凹をそのまま脳と体に伝え、疲労を倍増させた。
地を這う様に車高短にしたらバンク角が無くなった。
カーブで車体を傾ける事が出来ず曲がりにくい。
エナメルのカスタムシートは滑りやすかった。
格好重視で限界まで薄くしたシートはショックを吸収しない。
サスペンションとの相乗効果で路面の振動が伝わる。
とにかく尻が痛い。尻が割れてしまう様だ。
原付登録した大型自動二輪連中は来ていない。
疲れて帰ったか途中で止まったか。
JAFに連れて帰ってもらえばよいから気にしない。
着いたら着いたで主催者側の警備員がうるさい。
コール(暴走族のやる空ぶかし)とタコ踊りを
止めてきやがる。こちらは参加してやっているのに!
落伍者が出たのでTEAM セレブリティ―バイカーズTataniは
参加者が半減だ。目立てなくなってしまった。
気分を切り替えてパワーチェックに挑む。
ウチのバイクが一番良い音だ。絶対ナンバーワンだな。
何処かで見たような地味なポンコツがある。
いつか見たガキンチョや貧乏人が来ている。
禿げかけのオッサンのバイクにウチが負けるわけが無い。
金の無い貧乏人のバイクの倍のパワーが出るはずだ。
なんだ?ノーマルのカブが居る。
ウケ狙いか?笑わせる。
「さっさと受付して来い!」整備員の尻を蹴飛ばす。
不満そうな顔で睨んできやがる。頭がおかしい奴だ。
文句があるなら辞めればよい。俺は雇い主だからな。
ビールを飲みながら見物していよう。
他谷は悠然とディレクターズチェアーに座った。
長距離を走ると思わぬトラブルを起こす事が有ります。
普段のメンテナンスは重要です。




