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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
33/200

出発

大島たちが出発します。かなりゆとりのある行程です。

大島曰く「急いで行くより早めに着いて待っている方が楽。」

だそうです。


※フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設・その他は全て架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設・その他とは一切無関係です。

日曜がやって来た。


大島サイクル前に4人が集まった。


「先頭は葛城さんでどうですか?先導経験とかあります?」


「おっちゃん私は?」


「先導は私の方が良いでしょう。一定速度で走りますよ。」


話をしている所へ速人がやってきた。

「おはようございます。」


「おはようさん。速人、こちらが例の葛城さんや。初めてやな?」


「初めまして、葛城です。」

「初めまして、本田です。理恵から聞いていましたけど本当に・・・」

(堪えろ速人。イケメンですねとは言うなよ。)

「スタイルが良いですね?スポーツをやっていらっしゃったんですか?」

「水泳を少し・・・」


「じゃ、そろそろ行こうか。インカムのスイッチを入れとくれ。」


各々インカムのスイッチを入れてエンジンをかけた。


商店街を抜けて国道161号線を南下するルートを

4台のミニバイクは快走する。


高嶋町に入り、片側2車線になる。

先導は葛城さん。

「この辺りはスピードの取り締まりが多いから気を付けないとね。」


「北には毎日行くけど、南は初めてやわ~。」

左手に琵琶湖を見ながら理恵のゴリラが付いていく。


3番手は速人。特に何も言わないが快走している。

初めて組んだエンジンだが調子は良い様だ。


最後尾の大島は3人の様子を見ながら走る。


後から騒がしい声が聞こえる。ミラーを見た大島は叫んだ。


「伏せろっ!」


4人の横を市のマイクロバスが通る。


同時に竹刀がヘルメットを(かす)めた。


サークルかクラブの人員を輸送しているのだろうか?

箱乗りをしてタコ踊りをする者や奇声を上げて竹刀を振り回している者がいる。

背中に『燃えるぜ今都中学校魂』と入ったTシャツを着ている。

校名入りのTシャツで何をしているのだろう?


「行儀が悪いなぁ。」

「危ないなぁ。」

インカムから速人と理恵の声が聞こえる。


「あいつら、いつか酷い目に会うよ。」と葛城さん。


「何か物を投げて来るかも知れんから気ぃ付けよな。」

幸い、物が飛んでくる事は無かった。


南小松から国道161号線近江路(下道)を走る。

滋賀バイパスを走れると早いが、残念ながら90CC未満の我々は駄目。

『125㏄未満の2輪車は降りる』の看板に従い下道へ。


滋賀バイパスはアップダウンが激しく長い上り坂のある道だ。

仮に通行可能だったとしても90CCの我々はともかく、

75㏄の学生2人には辛いだろう。


琵琶湖を見ながら南下する。


交通量が少ないので各々話したいことを話している。


「晶さんって眉毛を整えていますよね。」

「うん。女の子の(たしな)みかなと思って。」

「素敵ですよ~」


「今までより60㎞/hで走っていても速い気がします。」

「今までが速く表示してたんやな。今の方が正確やで。」


会話をしながらのんびりと流す。


真野を過ぎたあたりから交通量が増えた。

堅田のファーストフード店で休憩することにした。


「バイクの取り換えっこをしませんか?」

葛城さんの提案で交換して乗ることになった。


葛城さんは理恵のゴリラ

「可愛いけどもう少しパワーが欲しいかな?振動は少ないね。」


速人は葛城さんのカブ

「パワーが有るし真っ直ぐ走りやすいですね。でもちょっと大きいな。」


理恵は大島のゴリラ

「パワーが有るね~。おっちゃん、このエンジンくれ。」


大島は速人のモンキー

「初めての割に上手に組めてる。ええ回り方や。」

「理恵。欲しけりゃ5万円。」


各々勝手な事を言いながら南へひた走る。


コンビニでトイレ休憩。自分のバイクに乗り直して

浜大津へひた走る。なかなか距離がある。


幸いトラブルもなく会場へ付いた。

受付を済まし、パワーチェックの会場へ向かう。

「パワーチェックは葛城さんと理恵で行こうか。

速人、レディーファーストで良いな?」


「僕も申し込んでおいたんです。」

にやりと笑い速人が答えた。


「じゃ、オッサンは見物してるから行っておいで。」


周りは煌びやかなバイクばかりだ。

(派手な4miniばかりの場には地味な3台かな?)


空ぶかししている輩が係員に注意されている。

もうすぐパワーチェックが始まる。楽しみだ。



時間にゆとりを持つ事が安全運転の第1歩かもしれません。


理恵は葛城のカブに乗ろうとしたのですが

爪先立ちになるので止めました。


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