バイクの支度
葛城・理恵・速人のバイクは快適性重視です。
フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。
実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。
速人と理恵が揃って店に来た。
「自分で交換するので工具を貸してください。」
「ついでに理恵のメーターも換えてくれるか?
その分、速人はオマケするわ。」
「私は?」
「コーヒーを淹れてもらおうかな。」
「うん。」
理恵は給湯場へ行き、速人はバイクへ向かう。
2人に作業と飲み物を任せて自分のゴリラを弄る。
積載スペースの無いゴリラにボックスを付ける。
パンク修理の道具・空気入れ・雨具・・・・等
保護者として用意しなければいけない物は多い。
お客さんでもある。雨に濡れて風邪でも引いたら大変だ。
「コーヒー入ったで~。」
理恵がコーヒーと共に現れた。
「一服するか。」
一服しながらイベント見物の事を相談する。
「少し面倒やけど、浜大津まで下道で行く。原付2種は
湖西道路を走れへんからな。昔は走れたのにな。」
「70㎞/h区間が出来てからですよね。」
「も~。走りたかったのに。」
理恵がブーたれるが仕方ない。決まりは決まりだ。
「一目惚れした葛城さんの前で交通違反するんか(笑)」
少し意地が悪かったか?
「~~~~~~w」
速人は声を出さずに笑っている。器用な奴だ。
我慢できてないんだから笑って良いと思うぞ。
理恵は顔を真っ赤にして速人をバシバシと叩いている。
「ほれ。インカムを付けるからヘルメット貸し。」
ヘルメットなんか自分で取ってくれば済む話だが
女の子にとはいえ叩かれるのは痛かろう。
助け舟を出してやる。
「理恵が間違うのも仕方ないくらいのイケメン女子やったぞ。」
「イケメン女子ですか?」
「速人よりずっとイケメンやったもん。反則やわ。」
「そうや。立ち振る舞いからイケメンやった。女子やけどな。」
そんな事を話しながらインカムの取付けが終わった。
「よし、出来た。テストしようか」
ヘルメットを被り、テストをする。
感度良好。これで安心だ。
作業をしていた速人が何かを見つけた様だ。
「大島さん。これは何ですか?」
「それはウインカーブザーやな。ウインカーを出すと
カチカチと音がする奴や。ウインカーの消し忘れ防止やな。」
「僕も付けたいです。」
「部品はあるから付けてみようか。」
速人のモンキーにもブザーを付ける事にする。
追加で電装部品を付ける時、なるべくメインハーネスは加工せず
割り込みハーネスを作る。
「メインハーネスのメスギボシをWギボシにしたらダメですか?」
「それをすると元に戻すのが面倒やしな。
うちでは割り込み配線を作ってる。」
作業が終わり、夕食時になった。
「これで準備は大体OK。日曜は楽しもうな。」
二人を送り出す。
一方、セレブリティ―バイカーズTatani。
部品と工具が転がった作業スペース。
暴走族上がりの作業員が作業を進めていた。
暴走族上がりでも大人になり立派になった人物はいる。
若い頃のヤンチャで鍛えた体を仕事に活かす者は多い。
上下関係の意識をしっかり持ち、元気に大きな声で話す。
今どきの覇気のない若者より戦力となる。
手先が器用で機械関係の職で活躍する者もいる。
少し生きるのに不器用なだけなのだ。
正しい道に導きさえすればきちんと進んで行く。
残念ながらTataniの整備員は違ったようだが。
「マフラーを太くしてキャブを大きくすればいいや。」
缶ビールを片手に作業をしていた。
消音効果が殆ど無いカーボン柄の極太マフラー
オークションで出ていた大きなキャブレターに
アルマイトで紫に染められたファンネルを組み合わせる。
目立つためにロケットカウルやそびえる3段シートを
付けようとしたが、そのような車両は参加できないと
参加申込書に書いてあったので付けられない。
仕方が無いのでホーンだけミュージックホーンに換えた。
ウインカーやランプ類は全てLEDに交換。
格好が良いのでレンズはクリヤーで統一した。
何か忘れている気はする。でも酔っぱらってしまった。
作業員は眠くなったので帰宅した。
今回、速人と理恵が取り付けたメーターはホンダエイプ100の物。
90㎞/hまでの表示なので、フルチューンのモンキー・ゴリラでは
物足りないかもしれません。
速人と理恵のモンキー・ゴリラは最高速が頑張って70㎞/h+αです。




