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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
31/200

イベントへ向けて

フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。

今都にあるセレブリティ―バイカーズTatani


原形をとどめないほどカスタムされたモンキーバイク。

ホンダではない海外メーカーが作ったキットバイクだ。

セレブリティ―バイカーズTataniの不良在庫である。

(何とか捌く手段は無い物か・・・。)


代表の他谷(たたに)は雑誌を見て閃いた。

(イベントでウチの宣伝をすれば在庫が捌けるじゃないか。)


幸い、トランスポーターを手配せず自走で行けそうなイベントが有る。

整備員に言ってイベント参加の申し込みをさせた。

イベントでパワ-チェックをやるそうだ。

「パワーが有るバイクは売れる!」

他谷(たたに)はパワーこそ全てと思っている。


コーナリング?フィーリング?金に繋がらない物は要らない。

客は解りやすい所が立派なら金を落とす。

パワーこそ勝者の証し。パワーで全てが解決。


それに年寄り連中はカタログスペックに弱い。

最強・最新・自動・国内初・世界初・・・

これらのワードを並べてあると買ってしまうのだ。


幸い、うちの整備員は暴走族上がりだ。

馬力を出すぐらい簡単にできるだろう。

(パワーチェックで良い結果ならうちの名と在庫が売れる。)

「日曜のイベントで宣伝をするぞ!パワーチェックで勝て!」


「へぇ~い。」

整備員がやる気無く答えた。


一方、安曇河の大島サイクルでは


「パワーチェックが2人しか申し込めなかったんです・・・。」

申し訳なさそうに話す葛城の姿が在った。


「仕事中にわざわざおおきに。それにしても良く似合ってはりますね。」

制服姿の葛城をみた大島は感心して言った。


「男女同じデザインなんです。間違えられても仕方ないですね。

これは理恵ちゃんの分です。では、仕事に戻ります。」


「はい。確かに御預かりしました。御仕事、ご苦労さんです。」

敬礼して葛城さんは仕事へ戻っていった。


「白バイが停まってたけど何かあったんやろか?」

と覗きに来た奥様方の前で白バイが停まる。

挨拶でもしたのだろう。黄色い歓声が沸き、葛城さんと白バイは去っていった。


(またイケメンの無駄撃ちをしたな・・・)


「インカムを付けるから帰りに寄ってください。

メーターも入りました。1こ2500円。速人の分も有るよ。」


「メール送信っと。これで良し。」

若干老眼が入り始めたのか、細かな文字が見えにくい。


♪~♪

電話だ。番号から察するに今都町だろう。

「はい。大島サイクルです。」


「修理の事で伺いたいのですが・・・。」

またか・・・。

「ウチは引取りをやっていませんよ。」


「いや、〇〇農機なんですけど、原付の修理の事で聞きたいのですが・・・」


最近の今都は自転車店・バイク店が減ったのだろうか。

専門外の機械を扱う店で修理をしているらしい。


「ナンバーは原付なんですけど偉く大きなバイクで・・・」

相当困っている様だが大きな原付とは何だろう。


「申し訳ないのですが、ウチはミニバイクしか解りませんで・・・。」

丁重に断り、電話を切った。


大きな原付とは何だったのか。

「Jazzかマグナ50だったのかな?ジャイロも大きいと言えば大きいな。」

大島は首をかしげた。

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