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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
2017年7月
30/200

理恵の恋④

葛城は可愛い物好きです。


※この作品はフィクションであり、登場する人物・地名・施設・団体等は架空の存在です。

実在する人物・地名・施設・団体等とは一切関係ありません

スマホを確認した葛城さんは

意を決して告白した理恵に笑顔で返事をした。


「いいよ。何処(どこ)に行くの?買い物?バイクイベント?

今度の日曜に浜大津でイベントが有るの。一緒に行く?」


予想外の天然ボケ返しである。

「葛城さん。そうじゃ無くて、理恵は恋人になってくださいって

意味で付き合って欲しいて言うてるんですよ。」


「ゴメンなさい。そういう意味だとは思わなくて。でも無理。」

困ってはるな。当たり前か。


(子供相手に一刀両断せんでも良かろうに・・・。)


理恵はボロボロと泣き始めた。

「・・・私が子供だからですか?」


「そうじゃなくて・・・え~っと・・・どう言えばよいのかな?」


「はっきり言ってください・・・。」


(頼む。この状況を何とかしてくれ。)


「私、・・・女性です・・・。」


「「へ?」」


葛城さんが言うには

「背の高い家系ですし、男性用の服しかサイズが合いませんから・・・

仕事柄髪の毛を伸ばせませんし・・・よく間違えられるんです。」


「兄もバイクに乗っていたんでウェアとか貰って着ていたんです。」


「声がハスキーなのは自覚しているのですが・・・。」


そういえば学生時代に女子にモテる女子が居たなとか

そういえばこんなキャラが出てくるゲームが在ったなと思いながら聞いた。


理恵はポケーとしている。声をかけても反応が無い。

へんじがない・・・たましいがぬけているようだ。


とんでもない間違いをしていた。客商売として最悪だ。

「いろいろと御苦労をされたのでしょうね。大変ですね。」

思考がまとまらない。


「お付き合いは出来ませんけど、友達にはなってほしいな。

理恵ちゃん。電話番号を交換しない?」


「します~。」

徐々に魂が戻って来たらしい。


「今度の日曜日にバイクのイベントに行かない?多分楽しいよ。」


「行きます~。」


「速人も誘ったらどうかな?たまには遠出も良いぞ。」


「誘う~。」


「4人で出かけるとなればインカムが欲しい所ですね。」


「インカムか・・・持っている所は在ったかな?」


大島はソロツーリングがメインなので持っていないのだ。

理恵と速人は通学ライダーなので持っていない。

(どこか持っている所に貸してもらうか・・・)


「白バイ用を借りるんですか?」

理恵・・・お前、まだ(ほう)けているのか?


「装備を使用に使うことは出来ませんね。兄の伝手(つて)で借ります。

多分、まだ持っているとは思うんですけどね。」


「ウチの方でも当たっておきます。無ければ大声でいきましょう。」


こうして、理恵は失恋したが、イベント見物を兼ねたツーリングをする事が決まった。


翌日、速人が店に来てくれた。

理恵から事の顛末を聞いて必死になって笑いを堪えたらしい。

「も~~~!って言ってましたw」らしい。


出掛けるのは大丈夫らしい。これで4人だ。


インカムは知り合いに声をかけてみたら中古が買えた。

オークションに流すより手間が掛からないと格安で売ってくれた。

見てくれはイマイチだが使えればOKだ。


「何だか白バイみたいですね。」


「白バイはもう少し強い(電波)らしいけどな。

マイクテスト・マイクテスト。聞こえますか?」


「はい聞こえます。こちらの声は聞こえますか。」


「はいOK。あとは女子2人やな。」


「パワーチェックとか大規模なイベントみたいですね。

僕のモンキーもチェックしてもらおうかな?」

残念だが、速人のモンキーは自慢するほどパワーは無い。


「その辺りはもう一人の女の子が手配してくれるから任せてる。

天気は大丈夫みたいやし、ツーリングを楽しもう。」


今回は保護者の役目がある。万全の態勢で準備しなければいけない。

葛城は小さい物好きでもあります。

理恵をナデナデしたいのを我慢しているらしい。

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