理恵の恋②
※この作品はフィクションであり、登場する人物・地名・施設・団体等は架空の存在です。
実在する人物・地名・施設・団体等とは一切関係ありません
(朽樹の牧場シュークリームとソフトクリーム・・・美味しかったな。)
排気量アップと4段ギヤのおかげで行動範囲を広げた葛城は
甘味巡りをして休日を楽しんでいた。朽樹から今都へ抜けて
湖周道路を通り安曇河へ帰る。家に帰る前に丁稚羊羹を買うのだ。
信号待ちをしているとポコポコと排気音が聞こえる。
ミラーを見るとホンダゴリラが写っていた。
(あ、ゴリラと女の子。可愛いな~。)
ぼんやり見ていたら信号が変わっていた。
発進が遅れているうちにゴリラが先行した。
追ったつもりはないが葛城のカブは大島のスペシャルエンジンだ。
90㏄の排気量と絶妙なギヤ比で加速する。
意識しなくてもゴリラとの距離が縮まった。
(あれ?このゴリラって・・・。)
見覚えのあるゴリラだ。
(バイク友達になれないかな?話したいな。・・・。)
追いつきそうだったが葛城は無意識のうちにスロットルを緩めた。
時速60㎞。葛城は無意識のうちに法定走行を守って走る癖がある。
ゴリラは加速しているのか、徐々に引き離される。
(速度超過・・・でもメーター誤差の範囲だねぇ。)
徐々にゴリラの姿は小さくなり、見えなくなった。
(ゴリラだと大島サイクルのお客さんかもしれない。)
商店街には丁稚羊羹の美味しいお店がある。
(ついでに寄るか・・・。)
ハンドルを商店街へ向けた。




