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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
こちら滋賀県高嶋市安曇河町藤樹商店街大島サイクル
19/200

葛城とスーパーカブ⑤納車

エンジンオーバーホール後100㎞走行したらオイル交換をお勧めします。


※この作品はフィクションであり、登場する人物・地名・施設・団体等は架空の存在です。

実在する人物・地名・施設・団体等とは一切関係ありません

試運転の翌日、葛城さんがやって来た。

連絡を入れようと思っていたのだが、待ちきれなかった様だ。


「外見はそれほど変わらないですね」その通り。


「前のカブと似た年式やからね。排気量とギヤが増えただけやから

 買い替えたことも解らんかもしれませんね」


「やっぱりライトが丸い方が可愛い♡」


「だんだん数が減ってクラシックバイク的な人気が出てきましたね。」

(気に入ってくれてよかったけど、葛城さんってオネエっぽい時が在る…)


一通り説明をした後に、近所を一回りしてもらう事にした。


「では、行ってきます」

「回転は抑え気味でよろしく」


バルンッ!…トントントントン…ガチャコン…ポロロロロ…


姿勢が良い。葛城さんの運転する姿は何となく癖がある。

上手にバイクを操る人だ。それは間違いない。


暫くすると葛城さんは戻って来た。結果は表情を見れば解る。

立ち話も難なので店内で何か飲みながら感想を聞くことにする。


「変わりましたね。余裕で60km/h巡航できますね!」


「変わったでしょ?コーヒーとココアどっちが良いですか?」

排気量が49㏄から89㏄になったのだから当然だ。


「ココアで。これだけ走る様になるとブレーキも変えたくなりますね」

鋭い指摘だ。だが、カブのフロントブレーキは難しい。


「強化シューを入れておいたけどまだ当たりが付いてないからでしょう。

 もう少し馴染むとええ感じに効く様になります。

 容量を大きくするなら後期型に在った大きいサイズのブレーキを着ける

 更にプレスカブのリヤブレーキを合わせるのも手段ですね」


「大きなブレーキで強化シューにすれば完璧ですか?」

カブマニアが誰しも考える事だろう。


「ところが大きいサイズ用の強化シューは見当たらんのです。

それにカブはフロント(ブレーキ)の効きを良くすると変な動き

が出るもんでね」


「前が持ち上がる動きですね」


「その動きを抑えるのがカスタム50のアンチリフト機構。

組めば前が持ち上がる動きは無くなるけれど標準サイズの

ブレーキしか使えなくなってしまうんです。」


「あちらを立てればこちらが立たずですね」

まぁ、そういう事だ。


「フロントブレーキが焼けるような走り方は辞めとけって

事でしょうな。パワーは荷物を運んで流れに乗って走る為でしょう」


「高嶋市で乗るなら十分以上ですね」

そう思ってもらえるなら幸いです。


代金を貰い領収書を書く。

高く(たこう)つきましたけどそれだけの価値は在りますよ」

収入印紙を貼った領収書を渡すのは久しぶりだ。


「思ってたより安いくらいです。エンジンってお給料1か月分くらいと

思ってましたもん。カスタム車って縁が無いと思ってました」


「うちで作るカブはカスタムよりも特装車って感じかな?

 外見は普通やけど用途に応じて装備を変えたみたいな」


「事故の前に今都(いまづ)にあるバイクショップを覗いたんですけどね、

 モンキーバイクが60万円って。ビックリしました」


「モンキーは何処までも改造できるしな~。何処の店?」


「団地の近くにある・・・セレブのTatani?」


(またあの店か・・・)

暫く話をして葛城さんは帰った。


大島サイクルを後にした葛城はご機嫌だった。

(大島サイクルさんで頼んで良かった)

新しい相棒のカブに乗って思うのであった。



葛城「ところで、このカブって時速何キロまで出せるんですか?」

大島「時速60キロ。」

葛城「もっと出るでしょ?」

大島「原付2種の法定最高速は時速60キロ。」


廃車した葛城のカブ50からはハーネス以外に使える部品は全部外しました。

その分値引きしてあります。


葛城のカブに追突したのがセレブリティ―バイカーズTataniの客

上手い事言われて大型バイクを買わされたリターンライダーです。

大型自動2輪免許を持っているが若い頃乗っていたのは250㏄。

大昔に二輪免許を取ったお金持ち・・・・と言う設定。

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