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大島サイクル営業中 2017年度  作者: 京丁椎
こちら滋賀県高嶋市安曇河町藤樹商店街大島サイクル
18/200

葛城とスーパーカブ④

分解整備時には御時間をいただく場合があります。

ご了承ください。


フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は架空の存在です。

実在する人物・団体・地名・施設等とは一切無関係です。

定休日の木曜日。大島は高嶋市役所で手続をしていた。

事故車のカブ50は廃車。

カブ70を登録してすぐに一時抹消手続きをする。

取付けどころかビニール袋から出してもいないナンバーを返す。

排気量を89㏄に、原動機型式をHA02に変更して再登録。

再びナンバーを貰う。


(登録と排気量・原動機形式変更が同時に出来たらな・・・」

無駄が多い様に思うが改善はされない。

ナンバーが1枚無駄になろうが自分の懐は痛まないから気にしない。

無駄になった所で税金だ。これぞお役所体質である。


エンジンを本当に積み替えたかの確認も無い。

(不正しても解らんだろうな。車体の確認くらいした方が良いと思うけどな)

市役所支所を後にした。


シャッターを閉めた店で作業をする。


エンジン載せ替えはすぐに終わった。エンジン自体はボルト2本で付く。

エンジンはストックしておいたカブ90改4速。シリンダー修正済みの89㏄。


吸排気系は全てカブ90の中古品を使用。点火系もカブ90を使う。

ネズミに齧られていたワイヤハーネスは中古に交換。

葛城さんのバイクから外したハーネスだ。部品代が節約できた。

チェーンとスプロケットは新品に交換しておいた。

チェーンカバーに隠れて見えないのが残念だ。

チェーンカバーの掃除が大変だった。藁屑と泥がオイルに混じった汚泥。

レンジの油落としできれいにした。台所洗剤は侮れない。


タンクにガソリンを入れ燃料コックをONにする。

(これで漏れが無ければ走行テストだな)


燃料漏れが無いのを確認して試運転をする。

湖周道路を北上して国道161号線経由で帰るコース。

安曇河の市街地でウォーミングアップと細かなチェックをして

湖周道路を流す。浜風が心地よい。

真旭(しんあさひ)から国道161号線へ移り安曇河(あどがわ)へ向かう。

緩やかに続く登り坂で負荷を掛けて走りをチェック。

1・2・・3・・・とギヤチェンジをして60km/hで4速巡航。

ここから70km/hまで加速・・・・OK

(これなら葛城さんの要望通りだ。問題ない。)


その時サイレンが鳴った。

「そこのスーパーカブ。次の出口で降りなさい。」

(これ位で捕まえるか?仕方ない。降りるか・・・)


「今、何キロ出してた?」白バイが尋ねてきた。


「さぁ。だいたい70km/hくらいかな?」


「まぁ、そんなもんや。ちょっと速いな。どこに行くんや?」


「中古車の試験走行。あとは店に帰るだけ」


「どこの店?」


「安曇河の大島サイクルです」


「良い加速してる。気を付けて帰りや。」


「はい。おおきに」


無罪放免だ。初めから捕まえてどうとかではなかったのだろう。

白バイ隊員にはバイク好きが多い。

興味があったから停めて確認したかったのだろう。


(一晩冷まして油が漏れなければ引き渡しだな)

大島は再びカブを走らせた。




カブ90をシリンダーボーリングして純正オーバーサイズピストンを使うと

排気量は最大で89㏄になります。黄色ナンバー(90㏄未満)に収まる様になっています。


大島の造るカブの最高速は平地で85㎞/h前後です。

「それ以上スピードが出ると危ないから押さえてある。」らしい。

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