プロローグ
現実世界での名は、伝説の武芸者と一文字違いの『宮元武蔵』。
フルダイブ体感型VRMMORPG《エターナル・スフィア》での名は『ムサシ』。
そして、今いるのは《エターナル・スフィア》そっくりの異世界――
「――だと、思ってたんだけど……」
う~む……、と唸りながら目を凝らす。
ムサシの現在位置は、東京スカイツリーのような巨樹が普通に生えている巨大な森の外縁部、その辺りで一本突き抜けた巨樹の天辺付近の枝の上。そこから、地平線にいる動物を見分けるというマサイ族に勝るとも劣らぬ視力を以って、およそ2キロ先で行なわれている戦闘の様子を窺っている。
状況から推測するに、ストライカー装輪式装甲車輌と兵站輸送用装甲トレーラーで構成された一団が、不用意に昆虫系モンスター『軍隊蟻』の巣の近くで戦闘を行なったのだろう。ゲーム時代ならいざ知らず、この世界の軍隊蟻の別名は『森の掃除屋』。命尽きた骸を食み大地に還す事はあっても、あくまで主食は茸や菌類。銃声や流れ弾で刺激でもしない限り人間を積極的に襲ったりはしない。
「あんな乗り物なかったはずだし、それに、武装女子高生って……」
戦場となっているのは、巨大な森の外側に広がる普通サイズの樹木が鬱蒼と茂った森の中。しかし、全方位に向かって行なわれるゲリラ豪雨のような掃射によって、樹木、下草、岩……全てが打ち砕かれ、半径100メートル以上にわたって人の膝より高いものが存在しない空間が作り出されている。
その範囲の外側から押し寄せる中型犬ほどもある巨大な蟻の群れと戦っているのは、ワイシャツやブラウス、オーバーニーソックスやタイツ、他ネクタイなど個性による差異はあるが、同じブレザーとチェック柄ミニスカートの制服を纏い、両手足にプロテクター、マガジンポーチなどを取り付けたタクティカル・ロードベアリング・ベストと銃砲火器で武装した少女達。いや、よく見ると、身に着けているのは制服だけではなく、
「水着? あれって旧スクってやつか? それに体操着?」
ベストやプロテクターの下に着ているのが、旧型のスクール水着とオーバーニーソックスの子もいれば、学校指定と思しき競泳用ワンピースの子もいる。体操着の子達の場合は、上はワンポイントのTシャツか長方形の名札が縫い付けられたシャツで、下はブルマ、スパッツ、ショートパンツなど。
「ん~……、まぁ、普通にビキニアーマー存在していて着こなしている人もいる世界だから、別におかしくない……のか?」
そう言って首を傾げるムサシは、黒髪黒瞳、イケメンではないが精悍な顔立ちのいい男で、軽く背にかかるほどに伸びた髪を髷のように頭の高い位置でまとめて結っている。体格は中肉中背で、身形は小具足出装。黒を基調とした着物の袖と袴の裾を手甲と脚絆で纏め、履物は足袋と草鞋。上着は朱色を基調とした丈長の陣羽織。黒曜石のような色合の装甲に紅玉色の縁取りと彫刻が施された籠手と脛当ては、風情ある切子細工の名品を彷彿とさせる。腰のものは日本刀の大小二本差し。その他、腰の後ろに道具鞄。右手人差し指に銀色の指環、右腰に印籠など。
「いや、まぁ、服装はどうでもいいとして、あれだけの人数がいて全員真人族、その上、揃いも揃って主武装は銃砲火器で誰一人として法術を使う様子がない、ってのは……」
このファンタジー世界の人々なら、例え揃って女子高生の格好をしている事があったとしても、全員が銃器を主武装としている可能性はないに等しい。一方、もし同じ《エターナル・スフィア》からこの異世界へ転生なりトリップなりした人々なら、ドレスコードが厳しい単一種族のみのクランがあってもおかしくはないが、誰一人として法術系スキルを使わないという事はありえない。
それ故に、この世界が《エターナル・スフィア》そっくりな異世界だというのは勝手な思い込みだったのではないか、という考えが脳裏を過ぎった訳だが……
「……って、高みの見物を決め込んでる場合じゃないな」
陣羽織の後ろ側の裾には、佩刀の鞘を通すためのスリットが左右にある。ムサシはそこから手を差し入れ、袴の背板のところにある道具鞄の中から、鉢金――額から前頭部を覆う防具を取り出して装備した。更にその中から、通常の道具鞄であれば到底納まるはずのない、長さ2メートル半ば程の野点の時に立てるような和傘を取り出すと、幹が細い天辺付近の枝の上から飛び降りた。
自由落下で50メートルほど降りると、天辺付近よりも幹が太くなった。十分衝撃に耐えられるだろうと判断し、ムサシは、地上からおよそ500メートルの高さで幹を蹴り、あの戦場へ向かって真横に全力跳躍。軽く音速を超え、衝撃波を撒き散らしながら跳ぶというより飛んだムサシは、足裏から発勁した反動で一瞬なにもない空中を足場とする【踏空】で飛距離を稼ぎ、あっという間に目的地へ到着した。
着地の衝撃で周囲にいた蟻をまとめてふっ飛ばし、ドズゥウゥ~――~ンッ、と砲弾が撃ち込まれたかのような轟音と振動が響き渡る。
それに驚いた今まさに戦闘中の武装女子高生達は、反射的に音と振動の発生源に向かって銃口を向け――
(――やっぱこうなるよな)
この事態を予想していたムサシが勢いよく傘を開いたのとほぼ同時に銃弾が雨霰と降り注ぎ――直径およそ2メートルの傘はそれを悉く弾いて徹さなかった。
悪乗りした仲間の鍛冶師が、防御にも使える打撃武器【武侠の鉄傘】を魔改造し、侍故にと盾を装備する事を拒んだムサシに持たせた【八岐大蛇之目傘・弾槍降】は、実弾であろうがビームであろうが雨粒のように弾いて反らす。
こうしている間にも蟻の群れは押し寄せており、武装女子高生達は一箇所に攻撃を集中させている訳にはいかない。その場で耐え凌いでいたムサシは、銃撃が緩んだところで再度跳躍し、山形の放物線を描いて装輪式装甲車輌の上に音もなく着地した。
「指揮官は?」
操縦手席のハッチから上半身を出して短機関銃を撃ちまくっていた少女に訊く。ポカンとムサシを見上げていた少女が慌てた様子で指差したほうを見ると、ちょうど振り返っていた多目的突撃銃を携え制服をビシッと着こなしている少女と目が合った。
「――〔殺蟲剤〕を使う。だから、全員に撃つのをやめさせてくれ。このままだと銃声に刺激されて、他のモンスターまで寄ってくるぞ」
傘を車体の上に置きながら言うだけ言うと、返事を待たず道具鞄から両手で二本ずつ計4本の試験管を取り出し、四方に高々と投擲する。そして、それを両掌の中に2本ずつ忽然と出現した柳の葉型の手裏剣で精確に狙い打った。
ちなみに、『手裏剣打ち』と言う通り、手裏剣は『打つ』ものであって『投げる』でも『撃つ』でもない。
試験管が打ち砕かれると中に入っていた液体が飛散して一瞬にして気化し、押し寄せる赤黒い蟻の群れと彼女達を隔てる幕のように白い煙が下りてくる。
それを見た指揮官の少女が、撃つなッ! と叫び、発砲の禁止と撤退を命じた。
降車して戦っていた少女達がストライカーへ戻り、最後尾の車輌から来た道をバックで引き返す。そして、それ以降一団は何事もなく戦域を離脱した――という具合に上手くはいかなかった。
「きゃぁあああぁ~――~ッ!?」
悲鳴を聞いたムサシは、間に合わなかったか、と内心呟きながらストライカーから飛び降り、悲鳴を上げた少女の許へ急行する。
そこでムサシが目撃したのは、青と白のストライプ――ではなく、地面に引き倒された武装女子高生と、その臑に噛み付いている先程まで押し寄せてきていたものより更に巨大な蟻。
軍隊蟻には四つのタイプが存在する。先程まで押し寄せてきていたのが、個としてではなく群体として行動する『兵隊蟻』。今ムサシの目の前で少女の脚に噛み付いているのは、敵を排除するため地中から襲い掛かるなど特異な行動をとる『強襲蟻』。
これが出てくる前に撤退させたかったからこそ急いだのだが、一歩遅かった。
近くにいた少女が、仲間を助けようと、突撃銃に取り付けられた銃剣で突くが、軍隊蟻の中でも特に硬い強襲蟻の外骨格には歯が立たず傷も付けられない。そこで止むを得ず発砲しようとしたが、その前にムサシが駆けつけた。
左手を鞘の鯉口付近に添え、左手親指で鍔を押し上げて鯉口を切る。右手で愛刀をすらりと抜き放つと流れるように一閃。凶悪な顎の付け根を断って少女を解放してから、その強襲蟻を蹴っ飛ばした。
見てみると、少女の脚は、ロングブーツとプロテクターのおかげで大丈夫そうだ。
「焦るな。でも、急げ」
『は、はいッ!』
思わず遥か彼方まですっ飛んでいった蟻を目で追っていた少女達は、ムサシに声を掛けられて我に返り、連れ立ってストライカー後部の搭乗口へ向かう。
それを見送りながら血振りして納刀したムサシは、道具鞄から一本の槍を取り出した。それは、全長およそ3メートル。鑓穂はおよそ60センチ。【不滅】と【蟲殺し】の属性を備えた豪壮な大身槍。
――〔魔鑓・蜻蛉切〕
強襲蟻は、地上に出るとジャンプしたりして面倒なので、撤退する車輌の間を縫うように素早く移動しつつ、気配でその存在を捉えて地面を刺し貫き、可能な限り地上へ出る前に仕留めていく。
「――ん?」
気配の違いからそれに気付き、繰り出そうとした槍を止める。そして、それが地中から頭を出した瞬間に掴んで捕まえ、引きずり出した。
「お前さんが出張ってきたって事は、本当に巣が近いんだな」
それは、兵隊蟻と同程度の大きさだが、2リットルのペットボトルかそれ以上に大きく膨れ上がった腹部が特徴的な『特攻蟻』。巨大モンスター『オオアリクイ』のような天敵に巣が襲われた場合、自ら食べられて自爆する事で巣と『女王蟻』を守る。
ムサシは、槍を地面に突き立てると脇差を抜き、手早く顎と全ての足を切り落として地面に転がした。そうしたのは、死ぬと派手に爆発するからであり、腹部に溜め込まれた物質から様々な薬品や燃料などを作れる希少な素材なので確保しておきたいのだが、生きたままでは直接道具鞄の中にしまう事ができないからだ。
武装女子高生達は全員無事乗車し、次々に離脱していく。そして、最後の車輌がムサシを待っていたが、気にせず行けッ! と促した。離れていくその車輌の上で指揮官の少女が何かを言っていたようだが、地上に出てくる前に仕留める事ができなかった十数匹の相手をしていて聞き逃した。おそらく感謝の言葉の類だろう。
蟻共は撤退する彼女達を追わない。それを確認したムサシは、血振りをして槍を道具鞄にしまい、脇差を抜刀すると、強襲蟻を無視して目にも止まらぬ高速で駆け巡り、特攻蟻を捕まえては顎と全ての足を落として転がしていく。
そうしている内に、彼女達が気配での探知範囲外へ出た。これを待っていたムサシは、特殊スキル【討滅者の威厳】を発動させる。
自分以外の存在を威圧して退かせるこのスキルは、困った事に強力過ぎる。軽めを意識しても、逆鱗に触れられて激怒するドラゴンと同程度の殺気で相手に恐怖を与えてしまうため、彼女達が側にいる時には使えなかった。躰が竦んで動けなくなってしまうか失神してしまう可能性が高かったからだ。
感情を持たない昆虫であっても効果は覿面。強襲蟻は飛び込むように地面に潜り逃げ去った。
【討滅者の威厳】を解除して脇差を納刀したムサシは、昆虫系モンスター専用の封印具〔蟲籠〕を取り出し、動けないよう処理した特攻蟻を回収してその中に封じ込め、道具鞄にしまう。それから彼女達が去ったほうへ目を向け、
「……まぁいいか」
訊きたい事は幾つかあった。しかし、危機に駆けつけ、颯爽と救い、名も告げずに去る。侍はそれで良い――と思ったのだが、
「――あっ!?」
〔八岐大蛇之目傘・弾槍降〕をあの車輌の上に置いてきた事を思い出し、はぁ……、とため息をついてから走って彼女達を追いかけた。
ムサシの健脚を以ってすれば、不整地帯であっても最高時速60キロで走行が可能なストライカーに追いつく程度の事は造作もなかった。
ムサシは盛大に感謝され、何故か積極的に距離を縮めようとしてくる少女達に群がられて戸惑い、そんな後輩達の様子を目撃した指揮官は激怒し、後輩達は、命の恩人に対してその無礼な態度はなんだッ!? と説教されて萎縮し……と、この辺りの事は割愛するとして、彼女達はここまで遠征してきたのだが、先程の戦闘で弾薬不足が深刻化したため予定を変更し、このまま拠点としている都市へ戻る事にしたらしい。
その都市の名は『自由都市フリーデン』。
奇遇な事に、ムサシの旅の目的地と同じだった。
それを知った少女達は一斉に、これはもう絶対一緒に行く運命なんだよッ! とか、一緒じゃないと帰り着く前にモンスターに襲われて食べられちゃうッ! などとまくし立て……結局、ムサシはフリーデンまで案内してくれるという彼女達に同行する事となった。
そして現在、進む一団の真ん中辺りに位置するストライカーの車上にムサシの姿がある。彼女達はわざわざムサシのために席を空けてくれたのだが、車内は軍用車輌なのに男所帯では絶対にしない甘い香りが漂っていて落ち着かなかった。それ故に車上へ逃げたのだが、何故か同乗していた女の子達までついてきてしまい、囲まれて落ち着かない思いをしている。
しかし、彼女達の話を聞いた途端、そんな思いは何処かへ吹っ飛んでしまった。
「この異世界に来てるのは、当時〔コミュニケ〕を使用していた人達?」
〔コミュニケ〕とは、世界的に普及していた家庭用フルダイブ体感型VR機器の事。
彼女達の調査によると、気付いたらこの世界にいた、という人々は、《エターナル・スフィア》にログインしていたプレイヤーだけではなく、他のタイトルをプレイしていたゲーマーや、仮想空間で会議を行なっていたビジネスマンから廃人まで相当な数に上るらしい。
(貴方〝たち〟か……)
ムサシは、旅立つきっかけとなった女性の言葉を思い出し、内心で呟いた。
「だから、ここは異世界じゃなくて、新設された仮想世界なんじゃないか、って言ってる人もいるんです。ね?」
「うん。天才ハッカー集団によって意識だけ拉致監禁されてデスゲームを強要されてるんじゃないか、って」
「時間の流れが何百倍にも引き伸ばされてて、デスゲームから解放されたらまだ数時間から数日しかたっていませんでした、なんて事も十分にありえるとも言ってたよね?」
彼女達はその可能性は低いと考えているようだが、ここへきて、異世界転生またはトリップというのも勝手な思い込みだった可能性が出てきた。
ムサシは、その話をもう少し詳しく訊きたいと思ったのだが、
「私、月9の続きが気になってたって事は覚えてるんだけど、ストーリーが全然思い出せないんだよね。ねぇ、覚えてる?」
「私はドラマよりコミックとラノベの新刊が――」
ムサシは、うぬぅ……、と呻いた。
彼女達は、質問すれば答えてくれるのだが、基本的に自分が話したい事を話すため脈絡なく話題があちこちへ飛ぶ上、よくもまぁと呆れるほどしゃべり続けるため質問するタイミングが掴めない。
ムサシは、興味のない話を聞かされ続けて途方に暮れていたが、幸運な事に、話題は巡り巡ってムサシも気になる〝あの日〟の事に。
「ムサシさんは〝あの日〟どこで何をなさっていたんですか? 私達は、情報之海総合学園の生徒で、〝あの日〟も普通に授業を受けていて、気が付いた時にはみんな揃って学園ごとこの世界にいたんです」
『情報之海総合学園』とは、要するに、理由は何であれ学校に通いたくても通えない人々のために存在する、幼稚園から大学院まで揃ったネットワーク上の仮想世界に創設された学園。
「俺は、《エターナル・スフィア》の『サラダポダルサの森』で修行してた」
「ねぇねぇ! やっぱりムサシさんも、やったぁ~――~ッ! って思った!? アタシはもう最高に興奮したよッ! リアルじゃベッドの上から動けなかったけど、この躰ならどこへでも行けるし、普通に恋愛して、結婚して、こ、こ、子供も――」
「――はいはい。先走りし過ぎだし抜け駆け禁止」
「でも、この躰が学園用のアバターじゃなくて、手塩にかけて育てた《エターナル・スフィア》のキャラだったらもっと最高だったんだけどねぇ~」
「私は、どうせ転生するなら子供からやり直したかったかな~。もちろん元の世界の記憶ありで」
「アタシは、寝たきりの上、余命半年って宣告されてたからラッキーって思った。元の世界に戻りたい人達には悪いけど」
「あたしもあたしもッ! 元の世界に未練なしッ!!」
彼女達は人生を謳歌しているらしい。この謎だらけの世界を遊び尽くすと同時に調査し、ついでに元の世界へ帰りたいと願っている人達のために帰還の方法を探しているのだという。
「ねぇねぇ、ムサシさんって、やっぱり〝あの〟ムサシなの?」
その一言で、今までしゃべり通しだった少女達が息を飲み、ザワッ、と効果音が聞こえてきそうな緊張感が生まれた。
「あのってどの?」
「もう、しらばくれちゃってッ! 《エターナル・スフィア》で〝あの〟って言ったら、〝《セブンブレイド》の〟に決まってるでしょう?」
何故かは知らないが、訊くのを躊躇していたらしい少女達から向けられる興味津々な眼差しに内心苦笑しつつ、そうだよ、と肯定する。
その途端、悲鳴に似た歓声が炸裂した。
「ほらねほらねッ!? やっぱりそうだった! 戦闘中に一度もスキルの発動光が見えなかったし、法術も使わなかったからそうじゃないかって思ってたんだ!」
「だから言ったでしょッ!? あの〝ムサシ様〟がこの世界にいないはずがないのよッ!!」
「〝あの日〟はログインしてなかったんじゃないかってずっと言われてたのにッ!?」
「この三年間、全然お噂を耳にしなかったのですがどこで何をなさっていたんですかッ!?」
彼女達がいったい何に興奮しているのかは分からないが、そう質問されたムサシは、ふと遠くを見るような目で空を見上げ、
「〝あの日〟からの三年間、か……」
日常でもゲームでもない、この第三の世界で過ごした今日までの日々を振り返った。