17、つけまつ毛の作り方。
「そっかあ。 ユズちゃんが作りたいのってそれなんだ。 本当にびっくりした。」
ビックリした分、気が抜けたようにジルはそう言った。
そうして、自分を落ち着かせると、改めてつけまつ毛を手に取り、その構造をまじまじと観察した。
「ふ~ん。 これだったら、オレがカーボンを2cmぐらいにカットして、それをロージんとこで溶接したらできそうだ。 へえ、ユズちゃんのいたとこの女の人はこんなので自分を飾るんだ。 でもさあ、ユズちゃんはこれなくても十分かわいいと思うけど?」
「そんなことないよ。 私、これがないと自分に自信持てないし……。でも、作れそうで良かった。」
それを聞いて、ジルは柚が自分に自信が無いというくだりで、眉根を寄せていたのだが、柚がそれに気づくことはなかった。
「でもさあユズちゃん。 せっかく作るんなら、これ、たくさん作って売ってみない? この国の、特に王都の女性は、やっぱり美に対してすごい敏感だから、けっこう売れるかもよ? ユズちゃんが元いた世界に帰る方法の手懸りも掴めるかもしれないし。」
ジルの言葉に、柚も頷いていた。
つけまつ毛が売れれば、ロージアやジルに恩返しが出来るし、帰る情報も。
それに、この国の女性を、柚自信見てみたかった。