7/7
夢に出てくる甲子園の浜
私はあの風景を何度夢に見たことでしょう。
小学4年生と5年の一学期だけの暮らしだったにもかかわらず、私の記憶の中にあるあの浜の情景は、がっちり私の脳内にはめ込まれていました。
浜甲子園の堤防の向こうに広がる砂浜。夢の中ではなかなか行き着けず、いつもやっとの思いで行き着いて、堤防を駆け上って、海を眺めているのです。
大人になって浜を再び訪れたとき、夢の中にある風景は無残にも消えていました。
私たち親子が居た家の周辺は、新しく生まれ変わっていたのです。シロダさんの家も、小林さんの家も、歯医者さんの紀子ちゃんの家も見当たりませんでした。
思い出の浜甲子園は私の胸の中にだけしまってあります。
完




