とけてしまうアイスクリーム
「今日女子来るらしいぜ」
「まじで!?」
教室……ざわざわしてる……。
「ほら、静かにしろー。いきなり……という感じでもなさそうだが、転入生だ。よし、入っていいぞー」
だ、大丈夫でしょうか。
私は足をそっと踏み出して教室に足を踏み入れた。
「は、はじめまして……。花園綾美……です」
「え……」
「なんかださくね」
「つーか地味」
あ……やっぱりこんな反応。
「よろしく……お願いします」
「花園は空いてる所に座ってくれ」
「は、はい」
「あいつはねえだろ」
「だよな」
笑われてます……。
やっぱり、違う学校にすれば良かった。
鞄を握りしめながら、席まで足を動かしていく。
「あ」
その声と同時にバタンっとひとつの雑誌が落ちる。
「それ……」
私はその足を少し止めて呟いた。
「は? なんだよ。……あ、お前凛に憧れてるとか」
「うっわまじで。凛になりたいとか思ってんの?」
「それはねえわー」
「っ……」
どうしよう。いきなり泣きそう。
頬が熱い。
「あ……」
目からポタンと床に向かって滴が落ちる。
やだ。どうしよう。
「ご……めんなさ……」
足の向きを変え、廊下に向かって地面を蹴った。
もう、こんなの嫌です。
廊下に出てから昇降口まで足を止めずにひたすら走る。
頬の熱はまだ上昇してて、瞳から滴が頬を伝った。