第7話『思いよ届け・・・・・!』
ひさしぶりの本編です。
すう・・・・・・・・・・すう・・・・・・・・・・・・・・・
規則正しい寝息が聞こえる。佐奈が打たれてから約1時間。俺は、ずっと佐奈の看病を続けている。まだまだ危ない状態だがなんとかまだ大丈夫そうだ。あと、30分で0時。もう少しの辛抱だ。
「佐奈・・・・・・・。もう少しだから・・・・・どうか死なないで。」
頬につうっと一筋の涙が流れた・・・・・・・・。
「どうだ。臭いは?」
僕は、今ユウ、コウ、ライとともに一夜と佐奈の居所を追っている。まあ多分、アジトにもどったろう。
「へえ。多分近いから・・・・・アジトにいるかも。」
「そうか・・・・・。ありがとう。」
さあ、二人の居所はわかった。あとは、そこにたどり着くだけだ。
「佐奈、必ず僕が助けるよ・・・・・・・・。」
ただいま、11時40分。あと、20分で0時だ。はあ……。俺は、小さくため息をつく。あと、20分でも命の危険に繋がる。注意しなければ。本当は、ボスさえいればなんとかなるのだが。ボスは、俺を拾い育ててくれた。一体どこに行ったのだろうか。はあ………。俺はまた、ため息をつく。
「佐奈。この思い届くかな。」
佐奈は寝むったままだ。
「着きやした。」
だだ今、時刻は午後11時55分。今行けばなんとか佐奈を助けられるだろう。一夜の力ではなく僕の力で佐奈を助けたい。
「さあ、行くぞ。」
こうして僕らはアジトへ入った。
「いらっしゃい。よくわかったね。」
一夜が、やさしく笑って言った。
「一夜!!佐奈は!?」
「寝てるよ。危ない状態だけど。」
そういって、ベットを指さす一夜。ベットにはすやすやと寝ている佐奈がいた。まるで、死んでいるようだ。もう、血は止まっているようで矢も刺さっていなかった。時刻は午後11時58分。あと、2分だ。
「あと2分だね。」
一夜が言う。なんだか今日の一夜はおかしい。目が死んでいる。よっぽどつらいのだろう。まあ、それはそうだろう。一夜は、5年前僕の母親を突き落としている。これで佐奈が死んだらまた一夜は自分の大切な人を失うことになるのだ。
「あと1分。」
一夜が告げる。その時!!佐奈の容体が急変した。息が荒い。呼吸困難になっている可能性がある。まだ時刻は11時59分。このままでは、一分もつかどうか分からない。
「佐奈!!佐奈!!」
一夜にしては珍しくうろたえていた。僕も、どうしていいかわからない。とその時!!日付が変わった。
一夜も気付いたらしく叫ぶのをやめた。そして、僕たちは同時に呪文を唱える。
「「我は時を使い者だ。時神よ今我に力を!!」」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・ピシャ!!
辺りが、まばゆいひかりに包まれた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「佐奈!!佐奈!!」
私は、名前を呼ばれ目を開ける。どうやら森の中らしい。
「よかった・・・・・・。」
目を開けるとユウ、コウ、ライの姿が見えた。
「あれ・・・・私、矢に打たれて・・・・・・なんで傷がないの?」
「主人と、あと王子が時間を戻したんだ。」
「時間を戻した?どういうこと?」
「あれ?王子から聞かなかった?ここの世界の奴はみんな時間が操れるって。」
なんとなく聞いた気がするが・・・・・・そうだったのか。
「それで、どのくらい前に戻ったの?」
「う~ん。佐奈が二人を止めに行く前くらいかな?」
「そう。ということは、改めて二人を止めなくちゃいけないわね。」
「佐奈、気をつけてよ。」
「分かってるって。」
こうして私は、改めて二人を止めるために二人のもとへ向かった。
「っと。何とか成功したか。」
「・・・・・ああ。」
心なしか一夜の声が低い。なぜだろう。
「俺は・・・・・。でも、俺は佐奈を打った。」
「一夜。でも・・・・・・。」
「いいんだ。この事実は消えない。俺は1番大切な者を打った。」
そういいながら、一夜がとり出したのは・・・・・・ナイフ。おそらく毒が塗られているのだろう。
「まさか、おまえ・・・・・・・・・・・。」
「王子・・・・・・輝。佐奈をよろしくね。」
そういって、一夜がナイフをふりかぶったそのとき!!
「やめなさい!!」
りんとしたかわいらしい少女の声がした。
思い、届いたでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・
どうも、ラッキーラインです。今回はひさしぶりの本編でした。さて、佐奈助かりました。余談ですが、輝は「てる」じゃなくて「ひかる」です。前、友達にこれを見せたとき「てる」とよんでたので・・・・・・。
また次回!!




