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契約に御用心  作者: ラッキーライン
第二章絡み合う思い
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第六話『大切な人』

「佐奈……………。」

俺は、ただただその場に立ち尽くしていた。まさか、佐奈が自分の打った矢に当たってしまうなんて思いもしなかった。

「おいっ!!一夜!!佐奈を……よくも打ったな!!」

王子が、俺に向かって泣き叫ぶ。そこで、また、自分は佐奈を打ったということを思い知らされる。

「一夜!!早く、時間をもどせ!さあ、早く!」

「ああ…………。」

俺は、力のない返事をすると呪文を唱えた。

「我は時間を使いしものだ。時神よ今我に力を!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

いつもなら、ここで時間が戻るはずだ。だが……………いつまでたっても時間が戻らない。

「時間が戻らない………。」

「なんでだ?……………そうか、今日は新月。新月の日は時神から力を借りれない。」

…………………ということは今日一日時間を戻せない。

「佐奈を…………助けられない。」

「くそっ!!いったいどうすれば……」

「主人〜!今、佐奈が来なかっ…………えっ!!さっ佐奈!!」

「うそだろ・・・・・・・。主人が、さっ佐奈を打つなんて・・・・・・・」

「主人、どういうことでやんすか!」

いつもの、狼三匹が俺をにらむ。

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「くそっ!僕があの時身代りになっていれば・・・・・・・・・。」

王子が嘆く。しかし、どうしても時間は戻せない。

「・・・・・・・・・今何時だ?」

俺は、ユウに聞いた。が、答えてはくれない。それもそうだろう。一番、信用していた主人が契約せし者を打ったのだ。

「・・・・・・・・・俺、佐奈を助けに行ってくる。」

ぐったりと倒れ、腕から血が流れている佐奈を抱き上げ、家に向かう。

「待てっ!待てっ一夜」

王子が叫んだが、無視してそこから走り去った。

(どうか・・・・・助かってくれ・・・・・・・・・・・・・)















俺が、家に着くともう夕方だった。運んでくる間に佐奈の顔からはだんだん血の気が引いていく。いくら、明日になれば時間を戻せるとはいえ死んだ者は生き返せない。

「佐奈・・・・・・・・。」

目の前に横たわっている姫君に声をかける。だが、返事はない。胸に耳を当ててみると弱い鼓動が聞こえる。

「・・・・・・さてと、まず矢を抜かないとな。」

そう言って、作業に取り掛かる。矢は運よくそんなに深く入ってはいなかった。慎重に矢を抜いていく。

「これで、良しっと。・・・・・・・・俺はこの矢で佐奈を打ったのか・・・・・。」

俺は、抜いたその矢をバキャと真っ二つに折った。たまらなく、自分が憎かった。自らの手で、自分の大切な人《佐奈》をなくそうとした自分が。

「佐奈、ごめんね・・・・・・・・・・。」

やさしく、やさしく、呟く。どうか、を覚まして・・・・・。そして、また・・・・・・・。






俺の・・・・・・・・・・・大切な人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
















「一夜め・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

一夜は今さっきぐったりとした佐奈をまたさらっていった。

「なあなあ・・・・・・・・・・・・まさか、主人が打つなんて・・・・・・・・・・」

「うん・・・・・・・・。」

「そうでやんす・・・・・。」

ショックだったのは、この三匹も同じだったらしい。かなり、元気がない。一夜はいつもそうだ。仲間を裏切り、大切な者を自分の手で失っていく・・・・・・・・。そうして、いつもいつも、一人で抱え込む。あのときも、そうだった。あのとき・・・・・・・・・・正直に話してくれていたら・・・・・・こんなことにはならなかった。僕は、深い深いため息をついた。

「なあ、王子、俺たちで主人・・・・・・一夜を探さないか?」

「おまえたちと?」

「うん。人数が多い方がいいし。・・・・・・・・いや、乗り気がないんだったらいいんだ。」

「・・・・・・・・まあ、やってもいい。」

僕は、ぶっきらぼうに言った。

「ようし!そんじゃあしゅっぱ~~つ!!」

こうして、僕たちは、一夜をいっしょに探すことになった。

(佐奈、まってろよっ!!)

どうも、第五話の後書きを消したラッキーラインです(・ゞ・)

いやあ、番外編いつになったらやれるんでしょうか……………………。

気を取り直して、いきましょう。佐奈はこの次点では助かっていません。でも、多分死にません。

では、また次回!!

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