第三話『佐奈、イケメンにさらわれる』
「まったく・・・・・!輝の奴め!危うく声が出なくなる所だった。」
私は、今街へ向かっている。城を出た後少し道に迷ってしまったが、農家のおじさんに道を聞きなんとか遭難せずにすんだ。
「確か、もう少しで街が見えてくるはずなんだけど・・・・・。あっ!あれかなぁ。」
目の前に見えてきた街は、なんというか色合いが微妙だった。街の南側は赤系の色の建物。北側は緑系の色、西側は白系の色、東側は青系の色の建物だった。
「変な色・・・・・・・・・。」
「そうだよなぁ。俺もこの色合い嫌いなんだぁ。」
「そうよね・・・・・・ってあんた誰!?」
私はギョッとして後ろを振り返った。そこにいたのは案の定知らない男だった。しかしこの男も輝に負けないくらいのイケメンだ。少し焼けた肌にこげ茶の髪。山賊風の服を着ていてなんとなくワイルドな感じだ。
「『あんた誰』は酷くないか。……俺の名前は一夜。よろしくな。」
一夜はにっこりと優しく笑った。一夜は輝よりくだらないことを言わないような気がする。私は先ほどの様にまじまじと一夜を見つめた。
「何?………あんまり見つめられるの慣れてないから照れるんだけれど。」
ポッ☆
「ワザトデスヨネ?」
私は、黒い笑顔を浮かべて聞いた。
「ちっちがうちがう!わざとじゃないない。」
「ワザトデスヨネ!!」
「いいえいいえ!!」
「デスヨネ!!!!」
「ちが………」
「ネ!!!!!!」
「はい………………」
『プチプチプチプチ』
頭のどこかが切れた気がする。やはり、一夜もくだらない奴だった。これは一つお説教しなければ。
「一夜〜〜〜〜〜〜!!」
お説教開始……………
がみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみがみ
お説教終了……………
「すいません。」
「まあ。いいよ。………じゃあ、私もう行くからバイバイ。」
私はそう一夜に告げると街へ歩き出した。が、その時!
「待ってくれ!俺と一緒に来てくれないか?!」
「はいっ!?」
予想外のことに驚いたがすぐに一夜に別れを告げようと、口を開いた。
「えーと。もう行かないといけないから……。」
「………………しょうがない。行っていいよ。だけど、これは飲んで。」
一夜が渡してくれたのはおいしそうなぶどうジュースだった。私は何も言わずそのジュースを飲み干した。
「じゃあ、行くから………」
そう言いかけてふらっと倒れそのまま寝むってしまった。
「ごめん…………。」
一夜の声が静かに響いた。
「…………からかい過ぎたかな………。」
僕はふわふわのベットに腰を下ろした。つい、からかってしまったがやり過ぎたかもしれない。
「かわいかったなぁ。困った顔。」
佐奈は困ると、とてもかわいい。こんなことを思う僕はかなりのSかもしれない。そんなことをふと考えていると、急に扉を叩く音がした。
「どうぞ。入れ。」
「王子!大変です!佐奈様が一夜と言うものにさらわれました!」
「なんだと!」
一夜と言えば一人しか思い当たらない。それは大変だ。
「すぐに、僕が助けに行く。おまえは援護を呼んで来てくれ!」
僕は棚にある拳銃を取り急いで佐奈の元へ向かった。
(頼む佐奈。無事で居てくれ…………。)
「かわいい寝顔。俺なんかが見てよかったのかな。あははは………。」
間抜けな笑いをした後俺はそっと佐奈の頭を撫でた。
「本当は元の世界に帰そうと思ったんだけど……どうしようかな。予想よりかわいいなんて……。」
まあ、ぐちぐちとお説教をされるのはいやだが。
「でも………佐奈には不幸になってもらいたくないな。……………そういえばもう城には伝わったかな。輝の奴焦ってるだろうな。まっあいつには負けねぇけど。」
そういいながら俺は弓と矢を磨く。
「もうすぐ敵がくる…」
そう、もうすぐだ……。
どうも、ラッキーラインです。さて契約に御用心も三話目です。早いですねぇ。びっくりです。しかしなんだか大変なことになりましたね。でも、今更拳銃と弓矢だったら拳銃の方がいいんじゃと思っています。まあ、実際はわかりませんが。
今回はお知らせがあります。今度の四話目が終わったらなんと番外編をやります!急ですがやります!理由は本編でやれないことをやりたいからです!どんどんリクエスト聞きます!
後書き長くなってすいません。ではまた次回!




