第10話『偽りの犯罪者』
現在にもどっています。
僕は自分の過去に起こった出来事をすべて話し終えるとはぁとため息をもらした。
「まあ、こんなところかな。」
「ふーん……………。でも、その男の人って一体誰なの?」
佐奈は、僕に疑問を問いかける。
「その時は、まだ僕も小さかったから分からなかったけど最近調べてわかったんだ。…………………その男が犯罪組織のボスだというのをね………………。」
「犯罪組織っ!じゃあ、一夜が泥棒になったのってその組織にいれられたからなの?!」
佐奈は驚いている。もしかすると佐奈は一夜が勝手に自分で泥棒になったのかと思っていたのかもしれない。しかし、それもあながちはずれてはいないのだが。
「まあ、そういうことになるけど一夜の意思もあっただろうね。………………多分そのボスに『罪を犯したのならもう元には戻れない』とでも言われたんだろう。」
「そんな…………。」
佐奈は、なにを考えているのだろうか。難しい顔をしてなにやらぶつぶつ言っている。
「…………ねぇ輝。貴方女王様が一夜に押されて崖から落とされたのを見たの?」
「そういえば、僕は母さんが落ちていくのと一夜がどこかに走り去るのしかみてないな…………………。」
「じゃあ、これきっと一夜が落としてないわ。」
「えっ……………。」
正直驚きである。確かに僕は一夜が突き落としたのをみているわけではない。だとすると、これはもしや………………。
「もしかすると、ボスが落としたのかもしれないな。」
「私も同意。だとすると、多分小さかった一夜は一緒にいた自分も共犯者だと思って……………………。」
「一夜が起きたら聞いてみないといけないかな。」
「そうね………………。」
一夜は、まだ眠っている。僕たちがかんがえていることがほんとうなら一夜は『偽りの犯罪者』になるだろう…………………………………………………………………………………………。




