過去編『輝の過去1』
輝過去編。一夜過去編もちょっとはいってます。
『輝〜!はやくはやく〜!』
『待ってよ〜!一夜。』
僕と一夜は小さい頃からよく遊んでいた大親友だった。一夜の家は上流階級の貴族の中でも一番王室に近い貴族だった。だから、一緒に遊ぶことが多くとても仲がよかった。
『輝〜。一夜君〜。おやつがありますよ〜!』
僕の母さん……レイ女王は戦争で死んだ僕の父さん……光星国王の代わりに国の頂点に君臨していたんだ。でも、休みの日は母さんと僕と一夜でお茶会をしたり遊んだりしてたんだ。母さんは日だまりのように暖かくてやさしい人だったんだ。
『今日のおやつはクッキーよ。』
『わーい!クッキー僕好きなんだ〜!』
『俺も〜〜!』
『たくさん召し上がれ。』
『『いただきまーす!!』』
母さんが焼くクッキーは甘くてとてもおいしいんだ。だから、一夜も僕もクッキーが大好きだったんだ。
『ふぅ。おいしかった。』
『うん。おいしかったね。』
『なにして遊ぼうか?鬼ごっこなんてどう?』
『いいね!母さんは?』
『そうね……………』
『レイ女王様。大臣がお呼びです。』
『あら、大臣が?ごめんね輝。私はやれなくなっちゃったから一夜君と仲良く遊んでなさい。』
『はーい。』
母さんは、いろいろと忙しくて休みの日も仕事があったくらいだったんだ。
『一夜〜。なにして遊ぶ〜?』
『うーんとね………。』
『輝様。勉強の時間ですよ。』
『えぇぇ〜〜〜!僕、一夜と遊びたい。』
『だめですよ。さあ、先生がお待ちですよ。』
『むぅ。しょうがないなぁ。一夜、僕勉強しなくちゃいけないから、また明日遊ぼうね。』
『うんっ。また、明日ね〜〜〜!バイバーイ!』
僕もいろいろ忙しくって遊んでる途中で勉強しなければならない時があったんだ。だから、一夜にはときどきさみしい思いをさせていたかもしれないね。それに、一夜の家は家庭事情が難しくて父親が3回も再婚してるから母親がころころかわっててかわいそうだった。でも、一夜は元気いっぱいで今よりも明るかったんだ………僕の母さんが死ぬ…いや殺されてしまうまでね。 ある日のことだった。僕と一夜と母さんは広い草原に来ていたんだ。
『わー!すごいすごい!広ーい!』
『うんっ!広い広い!』
『そうねぇ。』
『ねぇ、母さんなにかして遊ぼうよ。』
『いいわよ。一夜君は?』
『俺も一緒に遊ぶ!』
『じゃあ、鬼ごっこしよう!』
『うんっ!』
『じゃあ、俺が鬼ね。』
僕達はいつものように鬼ごっこをはじめた。だけど……場所がわるかった。まさか、母さんが死ぬことになるとは思いもしなかった…………………………………………………………………………。




