表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
舞いし炎。飛ぶは空。Ⅱ~空と炎を紡ぐ者~  作者: ふわり
第一章《空を知る街ヤンガミ》
PR
5/6

EP4 【グリンベールの未知Ⅱ】

「もう1日ここにいるだって?英雄さんよ!あんたも昨日の夜の騒ぎ知ってんだろ?とっとと離れた方がいいと思うぜ?」

「運転手さん。どうしても確かめたいことがあるの!お願いします。」

カタリナは深々と頭を下げた。

「参ったなぁ…。英雄さんにそう言われちゃ断れねぇよ…。」

運転手は馬の首を撫でながら頭を掻いていた。


「お母さん。どうゆうこと?」

「ルーナ。少し私についてきて。」

カタリナは歩き出す。ルーナも後ろを追う。

村の防御柵はことごとく焼け焦げていた。

その横を2人は歩いていく。

「ルーナ。実は昨日ね。私も戦ったの。」

ルーナは想像以上に冷静に話を聞いていた。

「それで?」

「ここを攻めている山賊は、生身の人間だけじゃない。」

カタリナの言葉に、ルーナは首を傾げた。

「生身の人間だけじゃないってどうゆうこと?」

「私たちが昔、平和のために戦っていた相手は機械だったの。」

「機械って。紙芝居とかにでてくるロボットみたいなってこと?」

カタリナは被りを振った。

「人の身体に機械を埋め込んで作った人型の機械。その体は刃を通さず。銃弾を弾く。さらに人の何倍も強い力を持っている。」

「人と機械の融合…?」

カタリナは首を縦に振る。

「お母さんたちは、それらと戦って平和を勝ち取ったのね。それで?今回の山賊にそれが関係してるの?」

カタリナは重い口調で話す。

「15年前の戦いで、私たちは革命を成し遂げて平和を手に入れた。昼も夜もない国に、太陽と月を取り戻した。」

「なんとなく理解してるよ。続けて。」

カタリナは頷く。

「本来、太陽の光を浴びていないと活動できないはずの人型兵器の中に、その弱点を克服して逃げ出したものがいると聞いたことがある。」

「なるほど。」

ルーナは相当頭が良い。

「その人型兵器は、機械と融合される前は、優秀な科学者だったと聞いたわ。おそらくその科学力を使って、太陽問題を克服したのだと思う。しかもその力を使って今度は、自分の国を作ろうとしている。」

「そうゆうことね。」

ルーナは若い頃のカタリナにそっくりだ。

もしもロシェが生きていたら、あまりにも似過ぎていて腰を抜かしていただろう。

「グリンベール。それがその人型兵器が作ろうとしてる新たな国の名前。」

「グリンベールねぇ…。ここら一帯の山賊を従えてるとしたら相当な数になりそうね。」

ルーナの言葉にカタリナは頷く。

「それでどうやってそのグリンベールと決着をつけるの?相手の居場所もわからないし。」

ルーナが聞くと、カタリナは頷く。

「策は打ったわ。昨夜の戦いで、私が葬った山賊の中に1人。人型兵器が混ざっていた。厳密に言うと2人いたけれど、1人だけ葬り、1人は見逃したの。炎の巫女からの宣戦布告だと伝えてね。」

「なるほど!作戦が分かった!15年前に自分たち人型兵器をことごとく打ち倒した炎の巫女の襲来をネタにすることで、相手側から打って出ざるおえなくする!だってお母さんが15年前の決着をつけたいと思ってるってことは、相手もきっと同じだもんね。」

「そうゆうことよ。」

カタリナは頷きながらそう答えた。

「となると。今晩にでも大きな戦いに発展しそうだね。」

「幸いここはシュプルーン王国の領土だから、共に戦ってくれる騎士団がいる。」

「さすがだね。そこまで計算の上かぁ。」

ルーナが感心すると、カタリナは拳を固く握りしめた。

「15年前の決着を必ずつける。」

「お母さん!」

ルーナの声にカタリナは少し驚いた。

「どうしたの?」

「15年前の決着。とても大事なことなのは分かるよ。炎の巫女として、英雄として、何よりお父さんの代わりとして、戦うお母さんはカッコいいよ。でもね。それ以前に私のお母さんってことを忘れないで。」

ルーナはそう言うと、カタリナの拳に優しく触れた。

「ルーナ…。」

「さぁ。夜に備えて準備しよ。」

ルーナはカタリナの手を引いて走り出した。

その姿は子供の頃のようだった。

(ロシェ。この子は私が必ず守るからね。)

カタリナが心の中でそう呟くと、太陽の光が少しばかり強くなった気がする。

「お母さん!暑いからあそこのお店で何か飲もう!」

「うん。そうね。ルーナ!ありがとう。」

「なにがー?」

ルーナが聞くとカタリナは少し照れくさそうに答えた。

「私たちの子供として生まれてきてくれて…。」

「なにそれ!!まぁ。どういたしまして。さぁ。行くよ。」

2人は茶屋へと吸い込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ