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こちら宮城県警 転生者対策課!  作者: 阿野 良教
たどり着け!転生者対策課!

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四十話 ピンチ程燃え上がるものだし

 正一郎はここ数年で一番身の危険を感じていた。頼りの転生者組は他戦闘で応援に来れず、頼れる戦闘狂(ノレン)は負傷中、残る手札は不確定要素の麗と、己の実力だけだからだ。しかしここで迷っている暇はない。目の前の敵を何とかしない限り、活路は見いだせないのだ。正一郎は迷わず拳銃を発砲する。


 やせぎすの男ダンクはこれを避け、手元に拳銃を取り出す。一般人相手にはこれで十分ということだろうか。しかしこれで正一郎としてはやりやすくなった。なんせ何の能力か分からないままやられるということはない上に、相手がやろうとすることが先手を持って分かるからだ。


 そしてもう一つわかったことがある。正一郎の手にしている拳銃、40口径マグナムは十分に相手に有効打となりえるということだ。避けるというからには撃たれたくないということ、これがあればしばらくけん制目的にも使えるし、十分勝負の土台に上がることが出来る。


 正一郎はちらりとノレンを見る。未だ撃たれた激痛に身を悶えている様を見て、戦線復帰はおろかここから逃げることも容易ではないことが見て取れる。今はまだ生きているが、出血多量で命にかかわる可能性だってあるのだ。早期決着が求められている。そう感じた正一郎はダンクへと向き直り、拳銃を握りしめた。


 対して麗の行動は簡潔であった。ダンクが避けた隙を狙い、タクティカルバトンで正確に顎を狙う。ぎりぎりで躱されたとみるや、追撃を股間めがけて振り下ろした。急所狙い、短期決戦の構えである。ダンクの至近距離での発砲も見事に躱して見せると、喉めがけて突きを放つ。一進一退の攻防が続いていた。


「やれやれっ、私はそもそもっ、裏方だというのにっ」


 麗の攻撃をかわしながらも発砲を続けるダンク、それを紙一重で避け続ける麗。攻撃対象が近すぎて発砲を躊躇していた正一郎だが、このままでは(らち)が明かないと二人の戦闘に肉薄する。頭部や足など部位を狙うのは得策ではないと踏み、胴体を拳銃で撃ち抜いた。


 一瞬ダンクの体制が崩れるも、すぐに持ち直して戦闘を続行する。ダンクのこれまでの動きから察するに、どうやら防弾チョッキを着ているらしい。これならノレンのカバンから抜くのはデザートイーグルにしておくべきだったと後悔しながらも、正一郎は次の発砲チャンスを待つ。


 麗の攻撃は当たらないか、当たっても掠る程度、ダンクの痩せぎすの体が致命傷を避けているようだ。これなら押し切れるかと希望を持ちつつも、正一郎は常に最悪のケースを予想しつつ戦いを続けた。






 由美は目の前の巨漢と、正面切っての殴り合いに興じていた。バットと槍が唸りを上げて激突し、その合間に蹴りの応酬、たまに頭突きと、泥仕合の様相を呈していた。


「やるなぁ嬢ちゃん!槍相手にここまで出来るたぁ、さては魔王討伐第一線にいた口だな?」

「最終決戦までしっかりやってたよっ!」


 攻撃を続けながらも軽口を叩ける程度には余裕のある巨漢。由美もまだまだ本気ではないとばかりに言葉を返す。由美はまだ奥の手(グランドスラム)を使う気はなかった。ここで使ったとて、その後の大きな隙はイヴと呼ばれた狙撃手の格好の的になりかねないからだ。だからここで切るのは次善の策。


 由美はバットを手放すと、両手両足に魔力を集中させた。そして現れるのは籠手と脛当て。


「こっからマジで行くから、簡単につぶれんなよ?」


 リーチのアドバンテージを更に短くした由美に疑問を持った巨漢だが、瞬間由美は巨漢の懐に飛び込んだことで疑問は解消された。


「速度特化かっっ!」


 慌てて巨漢が距離を取ろうとするも、後の祭り。由美の強力無比な拳が、巨漢の鳩尾に食い込んだ。勢いそのままに巨漢は吹き飛び、地面をバウンドして転がる。


「半分正解。もう半分は攻撃超特化。まだ立てるだろ?そういう手ごたえだ」


 由美の言葉に呼応するように、巨漢は跳ね起き槍を構えなおす。


「一番槍、ゴライアス・イラ。お前は?」


 相対する由美を強者と認めた巨漢、ゴライアスは、由美に名を聞く。


「特攻隊長宝来由美。いいぜ、お前の流儀でやろう」


 二人はともに狂暴な笑みを浮かべ、そして再び激突した。


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