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こちら宮城県警 転生者対策課!  作者: 阿野 良教
たどり着け!転生者対策課!

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36/39

三十六話 まず特定しない事には話にならないし

「なぁ課長」


 所変わって転生者対策課の室内。パソコンに向かってひたすら情報をあさり続ける正一郎にノレンは声をかけた。何かわかったかと正一郎はノレンに顔を向けると、彼女の言葉を待つ。


「装備の更新とか上申しねぇの?こう、防弾ベストなり対爆装備なりあるだろ」


 ノレンの素朴な疑問に、なんだそんなことかと正一郎は息抜き程度に答える。


「現場に出てるお前なら分かるだろ?転生者(あいつら)相手に行動を阻害するような装備は、逆に命取りになりかねない。まぁ現に関東圏では対転生者装備とかを作り上げたそうだが、地方にはまだは装備されんだろうな」

「何だよ地方差別か?オレが取り寄せてやろうか」


 にやりと笑うノレンに、確かにそれもありかもしれんがと前置きをしたうえで正一郎が話を続ける。


「いいよ。現状そういった装備が必要なのは俺くらいのもんだろ。仮に取り寄せたとして、ノレンは着るか?」


 正一郎からの問いに、ノレンは首を振った。


「筋力補助があるなら話は別かもしれんけど、オレのスタイルに重いものは合わないな」


 だろ?と正一郎は眉を上げ、再びパソコンに向き直る。


「そういうことだ。そら、仕事に戻るぞ」


 それだけ言って、正一郎はハッキング作業に移った。対象は最近閉鎖された巨大掲示板、その中にある転生者がかきこむスレッドを全て抽出し、読めるようにトリミングする。膨大な文章の中から魔王に関する文章とその前後を抜き出して、流し見ていく。


 魔王が如何に強かったとか、どんな攻撃方法を使ったとか、そう言ったところは読み飛ばし、魔王の考察をじっくりと見ていく。




 351:転生者774さん 2024/12/10 2:10:41 ID:0AiBbikb0F

 てか魔王って結局何者だったん?あの世界の誰に聞いても突然現れて国土を広げ始めたとしか聞いたことないんだが

 352:転生者774さん 2024/12/10 2:15:43 ID:h3MB6b9NLR

 ≫351 まぁ、ワイらみたいな転生者やったんやろうなぁ(小並感)

 誰が召喚したとかはまだまだ考察の余地はあるけど結局何も聞けんまま倒してしもうたし、真相は闇の中や

 353:転生者774さん 2024/12/10 2:18:52 ID:5FQxpNArYk

 ≫352 でも、案外カッコよかったよな、魔王。鎧とかオリジナルだったのかなぁ。





「うーん、あんまりいい情報がないな……」


 どんなに情報を掘っても、魔王の外面的なものしか出てこない事に嘆息する正一郎。対してスマホをずっといじっていたノレンは何かを掴んだようで、しかしそれを表に出さないようにそっと正一郎から見えないようにクルリと椅子を回し


「お、そっちは情報掴んだのか」


 直後の正一郎からの言葉に固まった。


「は?掴んでねぇし。何言ってんの?」


 あくまで自分は何も知らないというスタンスを崩さないノレンに、おっと口を滑らしたと言わんばかりに口元を押さえる正一郎。そのままパソコンに向かい、何事かを打ち込んだのちにすぐパソコンを閉じた。


「そうか、疑って悪かったな。なんかかくしてそうな素振りを見せたからつい、な」

「……おい、まさか!」


 最悪の事態を想定し、正一郎のパソコンへ駆け寄るノレン。しかしパソコンは沈黙を保ったままであり、電源を入れてもパスワードを入力してくださいの文言が冷たく出てくるだけであった。


「お前!ハッキングしたろ!オレのスマホ!」

「はっはっは、何のことだかさーっぱりわからんなぁ」


 ノレンが正一郎に食って掛かるが、素知らぬ顔で正一郎はいなす。なんとかこの男から情報を引き出さなければならないと直感したノレンは、拳銃を正一郎のパソコンに向ける。


「壊されたくなければ吐けよ」


 そう口にしたノレンの目は確実にやる眼をしていたが、しかしそれは正一郎の想定の範囲内である。


「おいおい室内で発砲するつもりか?そんなことしたら、懲戒免職もあり得るだろうなぁ。ノレン、お前確か少なくない額をこの前失ってたよなぁ。いいのか?大事な固定給を失っても」


 ノレンの銃口は相も変わらずパソコンに向かっている。これはだめ押しが必要だろうなと感じた正一郎はさらに続けた。


「このパソコンを壊したとして、そのデータの全てはクラウドを通していつでも見れる状態にしている。ハッカー舐めんなよ?大事なものをこんな環境に置くわけないだろう」


 正一郎の言葉に嘘はないと察したノレンは、やっと銃口をパソコンから降ろした。


「お前、絶対ろくな死に方死ねぇよ」

「お互い様だろそこは」


 捨て台詞を吐いたノレンに、しかし全く顔色を変えない正一郎。初めて正一郎がノレンよりも優位に立てた瞬間であった。

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