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古代の魔女  作者: 八草月
最終章

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第48話 アイの暴走1

帝国暦1401年

―独立都市センシティ―

「起きろシズク。センシティに着いたぞ。」

あの夜の後、私はすぐにアイにセンシティに行く準備をさせ、城を飛び出し、センシティ行きの馬車に乗った。これでシズクよりも早くセンシティに着けると思ったがシズクは王国の駿馬達に馬車を引かせていた。その結果、王国とセンシティとの国境部の村で休んでいたところでシズクの馬車が追いついてきた。私は他人のふりをしたのだがアイが「シズクさま〜。」とシズクに向かって大声で呼び、手を振り始めたためシズクにバレてしまいそのままシズクの馬車に乗せられ、今に至る訳だ。

「むにゃ〜。お姉様、もう少しだけ寝させてくじゃしゃい。」

呂律が回っていないシズク、可愛い!!このまま寝かしておきたい、がそういうわけにもいかないので少し強めの口調で「ダメだ。起きないと頭グリグリ〜ってやるぞ。」と脅した。

するとシズクが「それだけはイヤ!」と言いながら勢い良く顔をあげた。

「よ〜し。えらいぞえらいぞ起きてえらいぞ。」

「お姉様が私を無理矢理起きさせたんでしょうが!あと、子供扱いしないでもらえます。私、お姉様が思っている以上に大人なので。」

「昨日の夜、私が気持ちよく寝てたら急に起こしてきてお姉様、トイレに一緒に行きません?って言ってきたのはどこのどいつだ。」

「あれはお姉様がいるなら昔みたいに一緒にトイレ行ってみたいな。って思っただけで決してお化けが怖かったわけではありません。」

「私は一言もお化けが怖いなんて言ってないぞ。」

私はニヤニヤしながらシズクを挑発する。少し挑発しすぎたのかシズクが「お姉様のバカ。卑怯者。」と言ってきた。

「さすがに言い過ぎだぞ。お姉ちゃん悲しくて今にも泣き出しそうだぞ。」

「お姉様の心はそんなに豆腐じゃありません。これくらい昔はよく言い合っていたじゃありませんか。」

シズクが自慢気に話してくる。

「それは誤解だぞ。お前が一方的に言ってきていただけで私はシズクに言ったことないぞ。」

「ありました。それこそ200年前、お姉様が勝手に私が食べようとしていたリンゴを食べた時に…。」

馬車が止まったのを確認して私は窓を見る。そこにはセンテリア城の正門がたたずんでいた。

「シズク、くだらない言い争いはそこまでだ。相手に粗相のないようにしろよ。」

「お姉様に言われなくてもわかっています。」

センテリア城は小高い丘の上に建ってあった。そしてセンテリア皇国時代よりもだいぶ小さくて貧相な城に変わっていたがそれでもその小高い丘がすっぽり丸ごと入る位の大きさはあった。

城門が大きな音をたてて開き、城の奥へと入っていく。

城の通路の両脇にはセンテリア皇国時代の遺物が飾られてあり、非常に懐かしい気持ちになりながら通路を歩いていると前から金色の眼鏡を付けたエルフが歩いてきた。

エルフか。珍しいな。と思いながらすれちがおうとすると急に背後から猛烈な殺意を感じた。後ろをそっと覗くとアイがまるで般若のような顔をしてそのエルフの事を睨見つけていた。

「アイ、どうしたんだ。」

「アオイ様。お許しください。」

アイはそう言うと腰に付けていた短剣を取り出し、男に斬りかかろうとした。私はそれを必死に止めた。

「やめろ。やめるんだ。ここは他国の城だぞ。そんな場所であの男を殺したらフランティア王国の信用が地に落ちる。」

「止めないでください。私はあの男を殺すためにあなたの弟子になったんです。」

その瞬間、私は全てを察した。

「それじゃあ、あの男が…。」

「そうです。あの男は、あの男こそが私の両親を殺した男。チャーリー・ブラウンなのです。だから止めないでください。お願いします。あの男だけは許せない。」

暴れるアイを私は必死に止めた。その様子を見ていたブラウンは少し笑った後、すれ違うと同時に「さようなら。可愛いエルフのお嬢様。」と挑発するように言った。

その時だった、何かが爆発するような破裂音と共に気づけば私の体は側にあったドアを貫通し、部屋の壁にめり込んでいて、周りからは火の手が上がっていた。

私はしばらくの間、自分の身に何が起こったのか理解できなかった。

数秒経ち、ようやく周りから火の手が上がっていて、自分がドアを貫通をして壁にめり込んでいるという現実に気が付き、急いで立ち上がろうとするが上手く足が動かない。

「アイ〜。シズク〜。無事かー。」

私は大声で叫んだ。その声を聞きつけたのかシズクが血だらけになりながら瓦礫の中を匍匐前進で来てくれた。

「シズク!少しじっとしていろ。」

私はヒールを発動する。

それとほぼ同時にシズクも私にヒールを発動する。

2つの金色の光が炎で覆われている部屋から上がった。

とある王族のメモ

魔力がとても多い者は稀に魔力が暴走して獣の様に暴れ回ることがある。

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