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古代の魔女  作者: 八草月
ジャポーネ編

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第5話 賢者、旅に出る。

帝国暦1400年

―古代の魔女の家―

「さて、アイ、今から旅に出るぞ。」


「旅って言ってもどこへ行くんですか?」


「私の故郷、ジャポーネだ。」


「ジャポーネといえば独自の文化を作っていて、外国人に厳しいと有名なあのジャポーネですか」


「あぁ、そのジャポーネだ。しかしアイ、その思い込みは良くない、何もジャポーネの全員が外国人に厳しい訳ではなく、むしろ大多数の人は外国に興味がある。そういう印象を作っているのはある一つの組織だ。その組織は向こうに着けばイヤがおうでも知ることになる。とりあえず行くぞ。」


「はい、アオイ様」


―ジャポーネ領の港湾都市アマーサキ―


「アオイ様、文化が全然違います。家の形から、言葉から、髪型から全部違いまず。」

アイが驚くのも仕方がない私の生まれ故郷であるジャポーネは他の国々とは高い山脈で囲まれてきた為、大陸の他の国々の文化が入っておらず『陸の孤島』というあだ名があるくらい他の国々とは違う。

「とりあえず、私の友人の家に行くぞ。」

―5分後―

「ええ~、ここで本当に合っているんですか」

「あぁ、合っているよ。私の友人は古くから領主をやっていてね。」


「あ、いたいた。お~い、コトネ」

私の姿に気づいた、女が私に目掛けて猛ダッシュしてくる。

「アオイ〜、動かんでね」

危機を感じた私は瞬時に回避したのだが

ドーン

何故か当たった。私が理解できずに倒れていると

「予想的中!、アオイなら避けてくると思った」と何故かピンピンしている女は言う。

「アオイ、早く立ち上がってや。」

私はまだ痛みが残る重い身体で立ち上がった。

「アオイ、久しぶりです。おーきにしとったん。何年ぶりやろうな。前、おうたんが祝賀会の時やから25年ぶりですわ。アオイにとっては25年なんか一瞬かもしれんけど、私、アオイがおらんくなって悲しかったんですわ。」

ハッと我に返った私はアイに言う。

「こいつが、この町の領主で、私の古くからの友人で、五賢者の一人でもあるアイカワ・コトネ(相川琴音)だ。」


「私、アオイ様の弟子をしています。ルミナス・アイです。よろしくお願いします。コトネさん。」

その言葉が終わると共にコトネの表情は厳しくなる。

「アオイが弟子をとったん?あのアオイが?そんな事今までなかったのに。私でも弟子入り、志願して断られたのに。どういうつもりなん、アオイ。私はダメでこの娘は良い。どこに違いがあるっちゅうの。」

完全に怒っている。コトネに私は、

「私も本当は断るつもりだった。けど、神様からの命令だから、仕方なかった。」

コトネはポカーンとした表情で

「えっ、神様が言うたの。こいつを弟子入りさせろゆうたん。ほんまに?ほんまなら私が言うことはないわ。神の命令なら仕方がない。」は〜と深いため息をついたコトネは、とりあえず家に入れてくれた。

コトネの家はジャポーネの伝統的な家である瓦を使った家だ。領主の館と言う割には以外と家は狭く、庭も一般のお屋敷程度しかない。コトネ曰く「領主は大抵、城で寝泊まりするから広い屋敷は必要ないねん」らしい。

しかし、懐かしい。私も昔はこの家によく泊まったものだ。と、思い出に浸っていたらアイが何か言いたそうな表情をしていた。「どうしたんだ」と聞いたら「失礼ですが、アオイ様って何歳何ですか」と聞いてきた。「どうして今さらそんな事を気になった」と聞いたら、「コトネ様がここに来る途中に25年なんかあなたにとっては一瞬かもしれないと言っていて気になったからです」と言ってきた。私ははぐらかそうかと思ったがアイの顔を見ているとその気も失せた。私は正直に言った。

「今年で3000歳位、だと思う。だけど生まれてから歳が経ちすぎて正確には分からないんだ」と言った。その瞬間、「3000歳!?」アイの驚きの声があがった。「本当に3000歳何ですか。私達エルフでも1000歳、長くても1500歳では死ぬのに。」私は「本当に3000歳さ。アイは私のユニークスキルが歴史に関する物だと知っているだろ」と言うとアイは上下に頭を振った。「あれ程の能力に代償がないわけがないだろ。あの能力の代償は、死なないこと。正確には『世界を見届けし者』という能力で寿命が私にはない。自分で命を絶とうとしても反射的に強力な防御魔法を張ってしまう。しかし、他者からの攻撃は通るし、それこそ心臓を貫かれたら死ぬ。だけど、私に攻撃を与えられる者はこの世界にはいない。少なくとも今まで3000年生きてきた中でわいなかった。あの魔王でさえ、私からしたら非常に弱かった。」

「そりじゃあ、魔王を倒した英雄というのはあなた何ですか。」

「あぁ、そうじゃなかったら古代魔法を使えるわけがないだろう。古代魔法は火・水・土・風の四大魔法を複雑に組み合わせて作った物だ。だから、私が他の者に教えてもだれも使えない。皆、一種類の魔法しか使えないからね。英雄記には、英雄は古代魔法を悪用されるのを恐れて誰にも教えなかったと書かれているけどあれは嘘さ。私は皆に教えた。それなのに皆は使えなかったことを恥て、そもそも英雄は古代魔法を教えなかったという事にしたのさ。私はそのことを残念に思った。本当に残念だった。あれ以来、私は人間達に自分の作った魔法を教えなくなった。私が弟子を取らない理由もそういうこと。分かった?コトネさんいるんでしょ。そのドアの後ろに。」

「どうしてわかったん?アオイさん。」

「気配がダダ漏れさ、もっと気配を消さなければそこに私はそこにいます。と敵に正直に言っている物ではないか。」

「そりゃ、アオイさんからしたらそうかもしれんけど、これでもジャポーネの中で一番言うても良い位、気配消すの得意やねんで。」

「それにコトネ、前、会ったときより気配といい、魔法といい、全体的に落ちてるよね。そうだ!このアマーサキでアイの修行をしようと思っていたんだよね。そこに参加しなよ。」と、私が言うとコトネが「いやって言うたら。」と、聞いてきたので笑顔で「そりゃ、コトネにとっての悪夢が起こるだろうね」と返したら、毒でも食べたような顔で「分かった、分かった、参加するからそれだけはやめてや。」と言ってきた。

とある王族のメモ

アマーサキ…大陸東部に位置する港町。長い間独立していたが、200年前にジャポーネに併合された。周囲を山と海で囲まれているため別名陸の孤島とも。ジャポーネ文化の影響を強く受けている。領主は5賢者の一人、アイカワ・コトネ。

コトネにとっての悪夢…レーヌにある5賢者の像のうちコトネの像の顔が消え、「戻して欲しければ例の件について謝りに来い。by.アオイ」という紙が貼られていた事が以前あった。その事に焦ったコトネはアオイに謝りに行き、結果コトネがアオイの分の仕事も追加でやる事でアオイの機嫌が直りコトネの像も元通りになった。

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