第44話 事件解決!
帝国暦1401年
―フランティア王国 首都パリース―
私が路地裏まで行くとそこには見るからに怪しい男達がシズクの事を取り囲んでいた。
そして男達の中の一人がシズクの胸ぐらを掴もうとしようとした瞬間、私は反射的にスノーヴァイトをその男の足と手に向かって放っていた。
「うっ。」
男が悶る声を上げると仲間達が驚きながら警戒するようにこちらに振り向いてきた。
「お姉様!」
シズクが今にも泣き出しそうな目でこちらを見てくる。
その声に反応した男はシズクの喉元に刃を向け、男達のリーダーの様な人がこちらに向かって笑いながら話しかけてくる。
「お前、わかっているだろ。動けばこの娘の命はないぞ。」
その言葉に私は「卑怯者が。」と小声でつぶやいた。するとアイが「どうするんですか、アオイ様?」と聞いてきた。
その問いに「シズクの喉元に刃がある状態で魔法を使ってシズクに魔法が当たると危ない。だからシズクの喉元から刃がなくなるまではこいつらの指示に従え。」と言い、両手を上げた。
そして、いかにも弱そうな声で「分かった、動かない。だからシズクには危害を加えないでくれ。」と懇願した。
「へへっ。聞き分けが良い奴は好きだぜ。けど、お前の望みは聞き入れてやれね〜な。」
「それでは約束が違う。」と言い、私は立ち上がろうとした。その姿を見て男達は再びシズクの喉元に刃を向けて「動いても良いのか、動いたらこいつの喉元から血が出るぞ。」と言い、脅してきた。
私は諦めて再び、その場に跪いた。
「そうだ、それで良いんだ。」
「一つだけ聞かせてくれ、お前達はシズクに何をするつもりなんだ?」
「そりゃ〜、このまま売り飛ばすに決まってるだろ。後、お前は一つ勘違いをしている。売り飛ばされるのはこの娘だけではなく、お前とそこのエルフも一緒だ。」
「私は売り飛ばされても言い、だからシズクとアイは辞めてくれ、頼む。」
私が泣きながら懇願するとその男達は笑いだしてシズクの喉元に向けられていた刃を今度は私の方に向けてきた。
好機!
私はその刃を思いっきり蹴り上げて、そのままの勢いで男達の顔面に死なない程度に調整したスノーヴァイトを叩き込んだ。
男達は何が起こったのか分からないまま、気絶した。
私はそんな男達を横目に「シズク〜」と言いながら、思いっきり抱きしめた。
シズクの目からは涙がポロポロと出ていた。
そんなシズクの事を更に強く抱きしめた。
「お姉様、痛いです。」
シズクは私の背中を叩きながら訴えてきた。
「ごめん。」
シズクを抱きしめている力を緩めた。
そして「シズク、さっきはごめん。」と恥ずかしそうに私は言った。
「お姉様、私もあんな事で怒って部屋から出ていってすいませんでした。そして私を助けてくれてありがとうございました。」
私の胸から顔を出してきているシズクが小さく言う。
「良いんだよ。」
私は照れくさそうに言った。
この暗い路地裏にもシズクの腫れた目くらい真っ赤な朝日が微かに差し込んできている。
とある王族のメモ
この世界においての蝶は天からの使者として崇められている。




