第37話 賢者の過去2
皇国暦3500年
―センテリア皇国ビリーディア城―
サミュエル卿の命令で王族達はビリーディア城で幽閉された。
ビリーディア城での生活は厳しいものだった。ビリーディア城の屋根裏部屋のような場所に閉じ込められ、同じ城にいるにも関わらず家族とも連絡取れない。食事も少量。逃げ出そうと何度も試みたが全て失敗。
そんな日々が2カ月経ち、白銀の少女の精神はボロボロになっていた。そんな時だった。突然ドアが開いたかと思えば豪華な部屋に案内された。そこには一人の男がいた。
「サミュエル卿、なんの用ですか。あなたのせいで私達の生活はボロボロです。お母様にもお姉様にも会えず、狭い部屋から出れない。サミュエル卿、せめて少しで良いんです。お母様やお姉様に会わせてください。」
少女は泣きながら訴えた。
「アフロディーテ2世だけなら会わせてあげてもいいですよ。」
その予想外の解答に少女は表情を明るくし、「本当ですか!」と聞く。
そんな少女に男は厳しい顔をして、
「ただし、条件があります。」と言う。
「条件?」
「そうです。私があなたに求める条件はただ一つ。あなたには王座についていただく。そして私達の言う事を全て聞いていただく。」
「つまり、お飾りの王になれということですか。」
「要はそういうことです。」
「私が王座についたらお母様やお姉様はどうなるんですか。」
「そうですね。あなたが我々に尽くしてくれるのであれば、その時はこの城から解放しましょう。」
「その言葉、本当ですよね。」
少女が男の顔を睨見つける。
「えぇ、本当です。あなたが我々に尽くしてくれるのならね。」
少女はよく考える。そして覚悟を決めた顔をして、
「良いでしょう。その条件を受け入れましょう。」と言う。
「良い判断をしていただきありがとうございます。」
「約束通りお母様に会わせてもらう。」
「えぇ、構いませんよ。あの方はこの部屋を出て、真っ直ぐ行った先にいます。」
少女は部屋から飛び出し、母の元へ向かった。
とある王族のメモ
センテリア皇国時代のセンシティ…文化、経済、魔法など、全てにおいての中心都市。世界中から数多くの行商人が行き来し、センシティに行けば何でもそろう。といわれる程何でもある。




