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古代の魔女  作者: 八草月
王国再建編

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第29話 賢者、貴族になる

帝国暦1401年4月

―フランティア王国パリース城真実の間―

「それでは、判決に移ります。被告人が有罪であると考える方は挙手をお願いします。」

誰も手を挙げない。辺りにはシーンとした雰囲気が漂う。

「ありがとうございます。続きまして、被告人が無罪であると考える方は挙手をお願いします。」

シズクを始めとした、貴族達の手が挙がる。

「ありがとうございます。判決を言い渡します。無罪多数につき、被告人を無罪とします。」

その言葉を聞いた瞬間、頭がクラクラとしてそのまま、バタン。と倒れてしまった。

次に目が覚めた頃には私はベッドに寝ていた。状況が読み込めない中、私は横を見る。そこには私の手を握り、可愛い寝顔をこちらに向けているシズクがいた。

私は寝ているシズクの頭を握られていない方の手で撫でる。この雰囲気、この平和な雰囲気。幸せだ。まるであのお姉様もお母様もいた、3000年前の幸せだった頃のように。この幸せが永久に続いてほしい。心からそうあれと願い、側にあった窓を見る。星が輝いている。その中でも一際眩しく、まるでこちらに語りかけているような星だった。

昔の記憶に浸っていると、勢い良くドアが開いた。そしてドアの方からアイがこちらに向かって飛び掛ってくる。

「アオイ様〜。もうアオイ様と一緒に旅を続けれないかと思いました。またアオイ様と旅が続けられそうで良かったです。本当に良かったです。」

アイがまるで犬のように泣きついてくる。

「アイ、ごめんな。また一緒に旅を続けような。」

私はアイに優しく言葉をかける。

すると、アイの声で目が覚めたアオイがこちらを見つめて泣き出した。

二人の泣き姿を見ていると、なぜだか自然と涙が溢れ出た。

私達三人は一晩中泣いた。

そして翌日。

私はシズクに呼ばれて玉座の間に来ていた。シズクによると、前までの体制の中心にいた貴族達は大部分が1週間前の戦争で蒸発した。そもそも以前の体制は貴族にとって有利すぎたため新しい体制を作った。それを今日、発表する。とのことだ。

よくもまあ、こんな短期間でそんな物を使ったものだ。

感心しているとシズクが直ぐ側のドアから入ってくる。貴族達に合わせて私も礼をする。

私の前を通り過ぎたシズクは奥の王座に座る。

「皆さん、この度の戦いご苦労でした。皆さんの勇敢な働きに心から感謝します。」

シズクが以前よりも希望に溢れた声で言う。

「さて、本題に入ります。今回、皆さんに集まってもらったのは新しい、王家中心の新体制を発表するためです。まず始めにフィレール卿前へ来てください。」

フィレール卿がははっ。と言った後に一度礼をし、シズクの前へ行く。

「フィレール卿、あなたは今回の戦いで最も戦果を挙げ、この国と我が王家のために尽くしました。今回の功績を認め、あなたにフランティア王国総合功労勲章及び旧デュラン領であったティムン地方を与えます。今後も、王国のため、そして王家のために尽くしてください。」

シズクはその後も諸侯に褒美を与えた。その中で気づいたことはどんなに下級な貴族でも結果さえあげればしっかりとした褒美を与えている。以前までは貴族達が邪魔をしていたためこんな事はできなかった。私のやった事の成果を感じた。

そうしているうちに最後の者が私の前を通っていった。

「これで終わり、と言いたいところですが最後にもう一人だけ発表します。お姉様、前へ来てください。」

その言葉に驚きながらもシズクの前に行く。

「お姉様、あなたは王家に反抗的な貴族をまとめ上げ、私に対して反旗を翻しました。普通なら死刑が妥当です。しかし、お姉様は私達が絶対に勝てる状況を作り出し、敢えて負けた。それはなぜか。あなたの目的は王家に反抗的な貴族達の排除です。しかし、ただ殺すためだけでは第二、第三のデュラン卿のような貴族が出てきてしまう。そう危惧したあなたは今回の作戦を思いついた。私は自分の命を犠牲にしてまで私の事を考えてくれたお姉様に最大限の誠意を示します。そしてあなたに再び、公爵の地位とハイブリランドを与えます。」と言った。

「本当に良いのか?私はお前に対して反乱を起こしたんだぞ。」

驚きながら聞く。

「反乱を起こしていようが、お姉様は私の事を第一に考えています。私の事を第一に考えている以上、私を、そしてこの国を本当の意味で裏切ることはありません。それに今後のこの国の発展にお姉様は不可欠です。」

シズクが断言する。

「お前が良かったとしても、それを他の貴族が許すとは思えないが。」と言う。

「皆さんにはすでに話を通してあります。皆さん納得されていましたよ。疑うなら皆さん後ろにいますし、実際に聞いてみてはいかがでしょうか。」

私は後ろを見て

「お前達はこんな反逆者が公爵になって言いというのか?」と聞いた。

すると、フィレール卿を始めとした貴族達は皆、首を縦に振っている。

「お姉様、これでわかったでしょう。これは我々の総意なんです。」

シズクの声が聞こえる。

「シズク、成長したな。」と静かに言い

「王よ、有り難くお受けいたします。」

と言い切った。

とある王族のメモ

フランティア王国総合功労勲章…フランティア王国のために戦った者のために与えられるフランティア王国のなかで、最も名誉な賞。

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