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古代の魔女  作者: 八草月
賢者、弟子ができる

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第1話 賢者、弟子ができる

日の沈まぬ帝国ことレーヌ帝国には5人の『賢者』と呼ばれる者がいる。彼らは皆、天才的な知能そして魔術を持っている。その内の1人『歴史の賢者』は帝国の郊外で引きこもっていた。そんな賢者のもとに何やら訳ありの一人のエルフの少女が来る。何と彼女は自分を弟子にして欲しいと言うのだ。どうする賢者!?

帝国暦1400年8月

レーヌ帝国首都レーヌシティ郊外、古代樹の森

この古代樹の森は魔物が多く、日中でも木に光が遮られる為、夜並みに暗く、迷いやすい。そのため、町の者は滅多な事がない限りこの森に入ってこない。

今日はやけにうるさい。何か迷い込んだのかな。そう思っていた瞬間、『バン!!』と大きな音をたて乱暴にドアが開き、

「賢者様、弟子にしてください!」

ある一人のエルフがそこに立っていた。私は、驚きを隠せないまま

「えっと、君は誰?」

と聞いた。

これが賢者である私と、私の一番弟子であり、後に『魅力の魔女』と呼ばれるルミナス・アイとの最初の出会いだった。


「申し遅れました。私、エルフの里より参りました、ルミナス・アイと申します。どうか私をあなた様の弟子にしてください!お願いします。」

と、激しく懇願され私は

「分かった、分かったから一旦落ち着いて」

と言った。それから私は「ゴホン」と咳払いをしてから聞きたい事を聞くことにした。


「私から聞きたいことは二つある。

 一つ目、どうして僕の弟子になりたいのか。

 二つ目、どうやって他の賢者にも言っていないこの場所が分かったのか」

アイの表情は真面目な顔に変わり

「まずはあなた様の弟子になりたい理由を説  

明しましょう。賢者様はエルフの国、エルベニア大公国の状況をご存知ですよね。」


「ああ、昨年末に前女王が亡くなってから第一王女派と第二王女派とで国が分裂し、国内が相当荒れていると聞いている。」


「さすが賢者様、その通りでございます。現在の状況は第一王女派が優勢で第二王女派はかなり押されております。私の一族であるルミナス伯爵家は第二王女派でございます。」


「ちょっと待て、まさか私に参加しろというつもりではないだろうな。」


「いえいえ、まさかそんなつもりはございません。エルベニアのことはエルベニアで解決する。これが基本でございます。何より私は一族から逃げた者、そのようなことは望みませんし、今さらエルベニアがどうなろうが構いません。」

と、キッパリ言い切るアイに私は

「では、なぜ私の弟子になりたい。」

と聞いた。

「それは、亡き両親の敵を取りたいからでございます。両親は此度の戦争では中立という立場を取っていた。しかし、その『中立』という立場が悪かった。我が家は第一王女派、第二王女派、どちらの誘いも断っていました。しかし、第二王女派が負けるにつれて、第一王女派からの圧力は強まるばかりでした。両親はそれでも中立を守ろうとした。その結果、第一王女派の軍が我が伯爵家の領地であるルミナス領に攻め込んできたのです。我が軍は必死に防衛し、一時期は戦いを有利に進めていました。そう少しで敵は撤退する。そう誰もが思っていた頃、異変が現れました。敵の援軍が現れたのです。まだ、援軍だけだったら何とかなったかもしれない。けどその中には化け物がいたのです。チャーリー・ブラウンという化け物が…

あの化け物に我が軍は全滅寸前まで追いやられました。その後の事はよく覚えていません。気づいたら私は森の中にいました。背後には燃えたぎるルミナス城がありました。私は復讐を決意しました。復讐をするためには力がいる。その力を得るのに最も効率的な方法は何か。そうだ、賢者様の弟子になろうと思いました。」


「ちょっと待て、そこでどうして私の弟子になろうとする。他の方法もたくさんあるだろう。何より私は…」


「知っていますよ。あなた様は歴史を操る賢者。戦闘に特化した賢者ではありません。他にもたくさん戦闘に特化した賢者の方はいらっしゃいます。」


「だったらなぜ」

と聞くとアイは複雑そうな表情をして

「それは…神様が言っていたんです。ここにいる賢者の弟子になれと」言った。


「神!?」


「ええ、神です。私には確かに聞こえたんです。神の声が。そ れ で私を弟子にしてくれますか?確か賢者様って正教会の信者である「神の手先」の一員じゃなかったですっけ。チラ」

神には大恩がある。神は今こそその大恩を返せと言っているのだろうか。もし、そうだとしたら選択肢は一つである。

「ハ〜。正直したくないが神、アルカイダの名を出されては仕方ない。分かった、お前は今から私の弟子だ。存分に励むが良い。」

そう言うとアイは明らかに表情が明るくなり、

「いえ〜い。神様最高!これからは私の事は『アイ』って読んでくださいね」

と言った。

とある貴族のメモ

レーヌ帝国…大陸中央部に位置する大陸最大の国。軍事力、技術力、人口、全てにおいて他の国を圧倒する力を有する。皇帝を絶対とする絶対王政を敷いている。現皇帝は九代目で性格は欲しい物は絶対に手に入れる執着力の強い男でその権力と力で何でも手にしてきた。しかし、そんな皇帝にも一つだけ手に入れれなかった物があるらしい。

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