10月26日~11月1日週 政治・経済ニュースベスト5【安保法制解釈 日経5万2000 米中交渉 熊自衛隊派遣 平和賞推薦】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
どうぞご覧ください。
第5位 『立民、安保法巡り変化の兆し 違憲論修正発言に動揺も』
時事通信10月30日の記事より、
『集団的自衛権の限定行使容認を前提とする安全保障関連法を巡り、一部を憲法違反としてきた立憲民主党に変化の兆しが出ている。野田佳彦代表に続いて枝野幸男元代表が違憲部分はないと表明した。「現実路線」への軌道修正を図る狙いがあるとみられるが、党の原点とも言える立場の変更だけに、党内や支持者の一部は動揺を隠せない。
「党の見解ではない。個人の見解だ」。立民の本庄知史政調会長は29日の記者会見で、枝野氏の発言について問われ、こう火消しを図った。
発端は先の首相指名選挙での結集を目指して日本維新の会、国民民主党と協議した際、「安保法制の違憲部分を廃止する」との立場を修正するよう国民民主から迫られたことだ。野田氏は15日の3党党首会談で「違憲部分はこれまで見つかっていない」と踏み込んだ。
党内をさらに驚かせたのはこれに輪をかけるような枝野氏の発言だった。枝野氏は25日、さいたま市で開いた会合で、安保法について「違憲部分はない。だから変えなくていい」と明言した。
枝野氏は党内リベラル派の代表格。党の「創業者」で、2017年に安保法反対を理由に旧希望の党から排除され、立民を立ち上げた経緯もある。発足当初からの党所属議員の一人は「枝野氏は党の存在理由を否定した」と語った。
党幹部の一人は野田、枝野両氏の発言に理解を示す。制定から10年が経過し、米国などとの安保協力は安保法を土台に成り立っている。次の政局で政権交代をたぐり寄せるには「安保法は合憲との立場に立たざるを得ない」との判断からだ。
とはいえ、党内には動揺が広がる。28日に開いた党員らとのオンライン集会では枝野氏の発言を疑問視する声が相次いだ。同日の党常任幹事会でも懸念が上がり、執行部は「一議員の発言だ」としてその場を収めざるを得なかった。
他党にも波紋を広げており、共産党の小池晃書記局長は「立民の原点を自ら否定することになる」と批判する。国民民主の玉木雄一郎代表は「正しい方向の変化だ」と前向きに受け止めつつ、「2週間ぐらい前に何で言ってくれなかったのか」と恨み節を漏らした。』
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恐らくは国民民主党と再び合流又は連立するために玉木氏が「必須」としていた安全保障について大きく転換しようとしているのでしょう。
そもそも、集団的自衛権の限定行使はそれほど重大な話ではなくPKOの延長線上にある程度のことでした。それを無意味に「戦争の出来る国にする」という的外れな指摘をしていたことが問題でした。
この大転換に反発する議員はもしかすれば党を割るかもしれません。
あまりにも違う考えの人間が集まると統制が利かなくなるために安全保障について右派と左派とで大きく分裂する可能性もあると思います。
ただ、立憲民主党が憲法改正(緊急事態条項入り)を防いでいたことも間違いなく事実ですので、解党はすなわち憲法改正に大きく近づくようにも思いますので注視したいことだと思います。
第4位 『東証終値、初の5万2000円台 1カ月で7000円超上昇』
共同通信10月31日の記事より、
『31日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)が大幅続伸し、初めて5万2000円を超えた。終値は前日比1085円73銭高の5万2411円34銭。日米のハイテク関連企業の好業績を受け買い注文が優勢となった。円安進行や米中の貿易摩擦激化への不安後退も追い風だった。平均株価は10月の1カ月間で7400円超上昇しており、過熱への警戒感も高まっている。
東証株価指数(TOPIX)は31.04ポイント高の3331.83で、取引時間中と終値のいずれも最高値を更新した。出来高は28億8524万株だった。』
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高市政権が大企業への補助金増額を期待してか、「アメリカへの投資」を主要日本企業が行うためか分かりませんが、株価が加速度的に上がる中で個人が全く豊かになることは無いという何か矛盾した世界になっています(アメリカに投資する日経寄与度が高いソフトバンクの株価が1か月で1.5倍に)。
円安誘導やインフレを起こそうとしており、そのものは悪くないのですが、それに伴う対策をしていないのが最大の問題です。
給料が上がっても優遇措置の減少(所得に応じた手当減少や高額療養費の負担増などがある)があり、そんなに手取りが増えるわけではありません。
税金や保険料を減らすのが筋であるのにそれをやらず「実質的なインフレ増税」を行っているのが今の政府なのです。
第3位 『「10点満点中12点と自画自賛」トランプ大統領と習主席直接会談で追加関税一部引き下げ合意も“手打ち”は一時的か』
FNNプライムオンライン10月30日の記事より、
『アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席は30日、貿易摩擦の解消に向けて会談し、両首脳は追加関税の一部引き下げなどで合意しました。
会談の成果について、FNNワシントン支局・千田淳一支局長が中継でお伝えします。
一連のアジアツアーで、各国から大きな投資を引き出したトランプ大統領ですが、中国と交渉は想定の範囲内でとどまりました。
トランプ大統領と習近平国家主席の直接会談は6年ぶりで、両首脳は互いに高い関税をかけ合う貿易摩擦をめぐり、1時間40分にわたり会談しました。
トランプ大統領はアメリカに戻る専用機内で記者団に対し、アメリカが合成麻薬「フェンタニル」の流入を理由に、中国に課している20%の追加関税のうち10%を引き下げることで合意したと明かしました。
さらに、中国がレアアースの輸出規制の導入を1年間見送ることや、アメリカ産大豆の輸入を拡大することで合意したと成果をアピールしました。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けて協力していくことも確認しましたが、アメリカが各国に呼びかけているロシア産原油の購入に関しては話題にはなりませんでした。
―――今回の会談の結果についてはどう評価されている?
トランプ氏は記者団に対して、会談の評価を10点満点中12点だと自画自賛しました。
しかし、中国によるレアアースの輸出規制に限ってみても1年の延期と期限限定で、これから毎年交渉を続けなければなりません。
このため、今回のいわば“手打ち”は一時的との見方で、再び緊張や対立が再燃する可能性を含んだ会談だったといえそうです。』
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トランプ大統領は10点満点で12点としていますが実情は「アメリカ大敗」とも言える内容だったと思います。
アメリカは関税をチラつかせたのに対して中国はレアアースで対抗した様相でした。
関税1年延期と引き換えにレアアースとフェンタニルを引き出して結局「何も起きていない」状態に近いために何の取引も成立していないと言えます。
中国としてはトランプ大統領の間はこういった「何も起きない」状態で凌いでいこうという考えが見え隠れします。
しかも、肝心のロシアの原油や台湾については全く言及されることすらなく「手打ち」ということで「波風を立てない」方向で終わらせてしまったことも大いに問題でしょう。
日本はそれに対して「朝貢外交」なのですから、立ち位置が悪い意味で「隷属」と明白なのだと思います。
第2位 「自衛隊法でクマの銃駆除は困難」と箱わな運搬など支援要請、秋田県知事が小泉防衛相と面会へ
読売新聞10月27日の記事より、
『相次ぐクマによる人身被害を受け、秋田県の鈴木健太知事は27日、防衛省に自衛隊派遣を要請すると正式に表明した。28日に同省を訪れて小泉防衛相と面会する。クマを捕らえるための箱わなの運搬などを中心に依頼するという。
県が自衛隊に支援を求めるのは、▽重さ70~300キロ・グラムある箱わなの運搬と設置▽仕掛けた箱わなの見回り▽駆除した個体の解体処理――など。銃でクマを駆除することは自衛隊法などの規定で難しいことから、武器使用は要望しない。
鈴木知事は県庁で取材に応じ、「クマ被害は深刻だ。市町村の要請で現場に出動してくれる猟友会員は高齢化が進み、マンパワーも限界にきている」と話した。「県警のマンパワーも出し切っており、頼るのは自衛隊しかない」とも述べた。
防衛省によると、陸上自衛隊は2010~14年度、北海道の依頼を受け、道東の白糠しらぬか町と遠軽町で地元ハンターによるエゾシカの捕獲に加わった。ヘリコプターで上空からシカの動きを地上に伝えたほか、雪原でハンターが駆除したシカを雪上車に載せて輸送した。白糠町での活動は「白糠の夜明け作戦」と呼ばれた。
陸自は14~16年度にも高知県の要請でニホンジカ駆除のためにヘリを出動させた。北海道のケースを含め、これらの支援は「訓練」の一環として実施された。防衛省幹部は「関係機関と連携し、どんな協力ができるのか精査したい」と話す。
一方、警察庁は24日付で、住民の安全確保を最優先に対応するよう都道府県警に通達した。警視庁も同日付で通知を出し、警察官が携帯する拳銃の使用には十分注意するよう全警察署に求めた。同庁幹部によると、クマの頭蓋骨の硬さや皮下脂肪の厚さなどから拳銃での駆除は不可能に近いという。通知では、クマに致命傷を与える威力はなく反撃を受ける恐れがあるとした。』
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中国人が猟銃の資格を「簡単に」取ってしまっていることもあるので、”中国人に武器を持たせたい”と中国寄りの政治家が思っているのかもしれません(居住地が日本ならOK,報酬が安すぎて日本人がなりたいと思わない)。
それと同時に自衛隊を「日常化」させることで「プチ緊急事態条項」みたいな意識を植え付けさせる効果もあると思われます。
定義が不明であることは本当に恐ろしく、熊を根絶するまで”緊急事態を続ける”と言ったことも平然と考えられるために緊急事態条項は絶対あってはいけないと思います。
(自衛隊の方は銃も使えず熊に立ち向かわなくてはいけないので頭が下がりますが、それとこれとは話が別です)
第1位 『「日米同盟の新たな黄金時代」安倍元総理のパター贈呈&ノーベル平和賞への推薦の意向伝達で“おもてなし” トランプ大統領と高市総理が日米首脳会談』
TBSNEWS10月28日の記事より、
『初めてとなる対面での首脳会談でトランプ大統領との親密さをアピールした高市総理。トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する考えも伝えました。両首脳のきょう一日の動きです。
記者
「トランプ大統領を乗せた大統領専用車両=ビーストが宿泊先のホテルから出てきました」
午前9時すぎ、トランプ大統領が向かったのは…
記者
「トランプ大統領を乗せた車列が迎賓館に到着しました。報道陣に向けて手を振っています」
高市総理が待つ会場に姿を見せたトランプ大統領。両首脳は初めての対面会談に臨みました。
高市総理
「トランプ大統領の訪日を改めて歓迎申し上げます。日本とアメリカをより強く豊かにするために、日米同盟の新たな黄金時代をトランプ大統領とともにつくりあげていきたいと願っております」
アメリカトランプ大統領
「私は常に日本を愛し、尊敬してきた。日米関係はかつてないほどに強固なものになるでしょう。あなたと共に尽力していくことを楽しみにしています」
お互いに親交が深かった安倍元総理の名前も出し、和やかに始まった会談。“首脳同士の信頼関係を築きたい”と意気込んでいた高市総理はまず、トランプ大統領の外交手腕を称えました。
高市総理
「中東における合意の実現も、これはかつてない歴史的偉業です。世界の平和と安定へのトランプ大統領の揺るぎないコミットを高く評価します」
会談後、ホワイトハウスのレビット報道官は、高市総理がトランプ大統領に対してノーベル平和賞に推薦すると伝えたことを明らかにしました。
おもてなしは、ほかにも。高市総理が総裁選でも訴えた「JAPANISBACK」と書かれた帽子に加え、安倍元総理が使っていたパターも贈呈。
トランプ大統領が貿易赤字に不満を示すなか、昼食会ではアメリカ産のコメと牛肉を使った料理が提供されたほか、迎賓館に日本が公用車として導入する方針のアメリカの自動車メーカーのピックアップトラックが展示されました。
会談後、両首脳は、▼日米の関税交渉をめぐるアメリカへの80兆円規模の投資に関する文書や、▼レアアースなど重要鉱物の供給力確保についての文書に署名をしました。
その後、拉致被害者の家族会とも面会したトランプ大統領。夜には、日本のビジネス界のリーダーとの夕食会を予定していて、政治、経済両面で日本との協力関係を深めることにしています。』
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「安倍首相の後継者」であることをトランプ大統領に対して全面アピールした形です。
ゴルフバックを渡したり明恵夫人が登場したりと安倍路線の継承と、一緒に野球のワールドシリーズを観戦したりなど親米であることを永遠とアピールし続けました。
しかし、共同声明も共同記者会見も無く、いったい何を会談したのかは不明で推測しかすることができません。
80兆円の投資内容の「大詰め」もあったのかもしれないですね。
レアアースの問題についても触れたそうなので日本の太平洋に眠っているレアアースを掘り起こす投資ならば双方に利益があり、やぶさかでもないようにも思えるのですが……。
しかも核実験をアメリカが33年ぶりに行うかもしれないのに、唯一の被爆国の日本がノーベル平和賞推薦」とはかなり滑稽なことと言えます(ノーベル賞そのものが政治的なものもありますけど)。
「同盟国」と言われている日本の国民感情は完全無視で、「口だけ友好」でこれからも搾取され続けるのだと思います。
いかがでしたでしょうか?
今週は外交日程が詰まっており外交的なニュースが非常に多かった印象があります。
皆さんの今週の注目したニュースを教えていただければ幸いです。




