僕とアンリとアナマリー
お疲れ様です。
なぜか、一度に書けるのがほぼ七百文字程度なので、こんな感じです。
完結します。先が長い(笑)
よろしくお願いします。
アンリと一日中遊んで、勉強して、食事をして、眠る。すぐに一緒に僕の部屋で寝る様になった。眠るまで、ずっといろんな話をしている。僕たちは元々ひとつの魂だったものがふたつの体に分かれちゃったんじゃないかってくらい、一緒にいると安心できた。もう、アンリのいない日常とか考えられない。アンリがいなくなったらきっと、ずっと心がヒリヒリしそうな気がする。
アナマリーは二人の面倒をまとめてみてくれていた。寝る時にアナマリーが話す色んな話が面白い。アナマリーの故郷に伝わる昔話とか言い伝え。故郷の高原の景色、暮らしぶり。
アナマリーは古の流民の血が流れていた。昔、広い大陸の東の端に不思議な島国があって、とても古い時代に栄えた楽園の末裔たちが住んでいた。その島国で重用されていた武人・文人には四つの流れがあり、アナマリーはその中の一族の末裔。その島は流行病によって滅んでしまった。その島の民だけがかかる業病。絶滅から逃れ、流民となり、ある者達はその卓越した資質を生かし移り住んだ国の中枢で活躍したり、暗躍したり、あるいは鄙に隠れ住んでいたりする。アナマリーの民族はゾルタン王国とカリエ王国の境目の山あいにひっそりと生きていたんだけど、優秀さはカリエ王国の中枢でも知られていた。それで、アンリを託されていた。
「この黒髪と黒眼が東国流民の証よ」
アナマリーは見た目も若くて、一緒にいた五年間、歳をとらないかのようだった。
「アンリ様も、シャルル様も。」
失敗した時にまとめて二人を抱きしめて、慰めてくれる。アナマリーが居なかったら、六歳で国許を離れたアンリも、母を亡くして(この一年後)天涯孤独(国王は僕だけの父じゃないし、存在が希薄)になった僕も生きていられなかったはずだ。
ただ、東国流民は未だに流行病に追いかけられているらしい。アナマリーはただ一人でゾルタン王国の宮殿の中にいるから大丈夫だと思うけど。