巫女舞……僕たちの知らないアナマリーのこと
こんばんは。お疲れ様です。
後書まとめなしです。
ひとしきり踊って、しばらくすると、音楽が変わった。ステージの上からみんな降りて、周りを囲んでいる。楽器もまた、違うものが加わった。大きな綺麗な太鼓、横笛を吹いていた人は縦笛になり、響きの違う笛も増えた。そして、顔の前で両手で囲むように吹く楽器は、村の子達が憧れの鳳凰という鳥を模しているそうだ。
それぞれの楽器が最初バラバラに鳴らされていたんだけど、飾りの付いた大きな太鼓がドーン……と鳴らされると、不思議な曲が奏でられ始めた。
すると教会……村の子達によると、神社というらしい。神社から、鈴の音が聞こえて来て、アーチ……鳥居というらしい。神社から手に鈴を持った巫女が鳥居を通って、広場のステージに降りてきた。ステージの上の演奏者の前に出ると、一礼して鈴を振ってくるくる回り出す。
「巫女舞っていうんだよ。今年、巫女さんがいないって言ってたんだけど、よかった。さっきのお姉さんが舞ってくれるんだね」
「巫女さんが踊ってくれないと、一年、悪いことが起きるかもしれないからね」
朱と白の衣装で黒髪に飾りをつけたアナマリーが、銀色の鈴が沢山ついた棒を右手に、その棒に付いてる五色の比礼を左手に持って踊っている。
目を閉じたままで。
アナマリー……なんだか違う人みたい。アンリが不安そうに言った。
巫女舞が終わると、アナマリーは神社に行ってしまった。
僕たちは村長の屋敷にお邪魔することになった。村の子達が連れてきてくれた。
屋敷に行くと、バアルは馬小屋へ。荷物と僕たちは部屋へ通された。お風呂に入って、寝ることになった。アナマリーは明日の朝に戻るそうだ。
アナマリーがいないのは不安だけど、なんとなく、この村は安心できる気がする。
僕たちは布団に入って、あっという間に寝ついてしまった。




