朱雀派隠れ里
お疲れ様です。
台風でした。あんまり影響なかったです。
今回は後書まとめなしです。
アナマリーと僕たちは急に聞こえ始めた賑やかな音に驚いていた。
それはまるで突然現れたかのように、人々の話し声や、笑い声、呼び込みの声、何かの音楽が僕たちの周りに湧き起こった。
森の中の小さな村。小さな石と木で出来た可愛い家が広場の周りを囲んでいる。数軒ずつの家の間に小道があって、そこを入ると広場を囲む二列目の家々に続いている。小道毎に井戸があって、近くの家の生活用水を賄っているようだ。一際大きな建物は教会だろうか?入り口のアーチは広場にあってアーチから教会まで、短い冬の日のせいでもう既に薄暗くなった中に、幾つもの灯りが続いていた。広場のアーチの両脇に屋台が並んでいる。噴水を挟んで、アーチの反対側は少し広い空間になっていて、二段ほどの階段のついた木でできたステージが灯りに囲まれていた。ステージには何人か楽器を持った人たちがいて、聴いた事のない音楽を奏でていた。
僕たちが広場に近づくと、一瞬、周りが止まったような気がした。ほんとに一瞬で、すぐそのまま人々も音楽も続いていた。暫く周りを見回していたら、アナマリーが泣き出した。ずっと一緒にいた僕たちも、そんなことは初めてでただオロオロするばかり。
「ここにあったなんて……」
アナマリーが何かつぶやく。
「アナマリー、大丈夫? 」
「どこか痛いの? 」
「よう来られた。旅の人。お三人かい? 」
振り向くと、動物のお面(狐なんだそうだ)を後ろ頭に付けた若い男性が立っていた。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」数に入れてもらえなかったバアルが鳴いた。
「あぁ、ごめんね。三人と一頭だね」
バアルの鳴き声大きいから、子供達が集まってきちゃった。
「ロバさん、可愛い」「ロバさん、お食べ〜」柔らかい詰草の葉っぱをもらって、バアルの機嫌は一瞬で回復。




