表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/53

アンリだって大事じゃないか

お疲れ様です。


本日、仕事でヘロヘロです。

よろしくお願いします。

 声が出ない。病み上がりで力も出ない。


 僕たちはある程度剣術も体術も会得していた。なのに情けなく、無抵抗でいるしかできない。


「おい、何をしている?」

 遅れて中庭に出てきたアンリが僕を見つけた。


「シャルル王子にご同行願いたいんですよ」

「僕だ。僕がシャルルだ。そいつを離せ」


 え? アンリ何言ってんの? やめてアンリ。連れていかれちゃうよ。


「僕がシャルルだ、その子を離せ」


 暴漢が近づいてきたアンリに気を取られた隙に、僕は体を捻って、相手の手首を掴んで、背負い投げた。

 よかった、動けた。襲ってきた男は、受け身も取れず、背中を打ちつけて息を詰まらせて伸びていた。


 アナマリーがやってきて、男の腕を背中側に回して、手の甲を合わせて小指同士をキツく縛って連れて行った。

 アナマリー、キツ過ぎない? 指の色変わってるよ。


 そのまま中庭でアンリが泣いていた。シャルルが連れていかれちゃうって。さっきあんなに大人っぽかったのに。僕は雀の息くらいしか声が出なかったけど、アンリだって大事なんだから、あんなこと言うなよって言った。連れていくなら、二人ともにしてくれって言って、二人で泣き笑いした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ