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【書籍発売中・コミカライズ連載中】こんなはずじゃなかった? それは残念でしたね〜私は自由きままに暮らしたい〜  作者: 風見ゆうみ
第九章

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77 隣国の辺境伯令息の好きな人

「あ、あの、マーモットに恋愛相談をされても、私はマーモットじゃないので、どう答えたら良いのかわからないのですが……」


 私の返答を聞いたマーモットは、口をあんぐりと開けて私を見つめた。


 おかしなことを言った覚えはないんだけど、どうしてそんな間抜けというか、可愛らしい顔をするのかしら。


 助けを求めてパルサ様を見ると、パルサ様は苦笑してマーモットに尋ねる。


「君が誰だか、リゼさんに教えても良いですか?」

「それは、あの、はい」


 マーモットが顔を縦に振ったのを確認してから、パルサ様は私に目を向けて教えてくれる。


「リゼさん。彼はブロッディ卿です」

「……やっぱりそうだったんですね」


 妹が変身できるのなら、兄のブロッディ卿が変身できてもおかしくはないもの。


「どうしてお前は驚かないんだ」


 一人で納得していると、ブロッディ卿に尋ねられたので用意していた答えを伝える。


「パルサ様たちのことを知っているからです」


 問題があるなら、ルカ様たちのことを伝えても、ブロッディ卿は忘れてしまうと思う。

 でも、わざわざルカ様たちのことを伝えずとも、パルサ様という良い例があるのだから、その答えで良いと思った。


 パルサ様も私の考えを理解してくれたみたいで、それを証明するかのように話をしてくれる。


「リゼさんはとても良い人なので、僕のことを忘れないんですよ」

「……そうですか」


 ブロッディ卿はむちむちボディを私に向けて尋ねてくる。


「なら、ミノールのことも覚えてるんだな?」


 ミノールさんは妹さんの名前よね。

 あの時のことを思い浮かべながら頷く。


「はい。とても可愛らしい鹿でしたよね」

「だろう? あいつは可愛いんだ!」


 普段は嫌な人なのに、妹のことになると普通の兄になるのだから、ルカ様たちの前でも普通にしてくれたら良いのにと思ってしまう。


「おい。なんで黙ってるんだよ」

「申し訳ございません。あの、とっても可愛かったです」


 見た目は、と言いそうになっだけれど、何とかこらえることができた。


「だろ!」


 なぜかブロッディ卿が私の膝の上に乗ってこようとするので、パルサ様が叱ってくれる。


「リゼさんに必要以上に近づかないでください」

「あ、あの、彼女に話したいことがあるんです」


 ブロッディ卿は、パルサ様の腕の中で私を見つめて口を開く。


「恋愛相談が無理なら、好きなものとかを教えてくれよ」

「好きなもの、ですか? 誰のです?」

「お前のだよ!」


 マーモット姿のブロッディ卿に怒られても全く怖くない。

 逆に緩んでしまう頬を両手で押さえて答える。


「私の好きなものと言いますと……って、今じゃなくても良いですか? ルカ様たちが待ってますので」

「今が駄目ならいつなら良いんだよ」

「手紙に書いて送りますね」

「……そんな! せっかく勇気出して来たってのに、ひどくねぇか?」

「……ブロッディ卿、何か言いましたか?」

「いえ」


 ブロッディ卿は何やらブツブツ言っていたけれど、パルサ様の圧に負けて、すんなりと引いてくれた。


 その場で、ブロッディ卿と別れてルカ様たちの元に戻ると、二人は心配そうな表情で尋ねてくる。


「何の話でしたの?」

「どんな話だったんだ?」


 なんと答えたら良いか私が迷っていると、パルサ様が答える。


「ルカにライバルができたみたいです」

「「「はい?」」」


 ルカ様とイコル様だけでなく、私までもが聞き返してしまった。



個人的な理由で更新を停めてしまい申し訳ございませんでした。

書籍も発売されておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします!

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