第4話 はじまりはじまり
加藤の話を聞き動揺する一同、帰るその時までずっと一緒にいた人物が既になくなって、京香さんだと思われていた人物が幽霊だったのか、それとも自分の見たもう1人の自分だと言うのか、だが考える時間もなく加藤のいる湖に着いてしまった。
加藤「皆さんこちらです。2度も申し訳ございません。先程山羊くんに電話したのですが京香さんの死亡推定時刻が約11:23時だったということが判明しました。もう一度皆様方の事実証明とその後の京香さんの不振だった点を伺いたいです」
加藤「あと、スマホを勝手に見させて頂いたのですが、スマホに事件時の動画が残されていたのでそちらも確認してもらいたいです。捜査の一環とはいえ勝手にスマホを見てしまい申し訳ございません。」
加藤がそう言い終わり今度は平田から呼ばれ始める。
平田が終わりゆかさんが呼ばれ、奏多さん砂糖と続き、次に自分が呼ばれた。
加藤「お待たせしました。では早速ですが事件当日は先程述べていただいた内容でよろしかったでしょうか、よろしければもう一度確認したいので行動の詳細を詳しくお願いします」
北山「はい、あの時間は平田と………」
事実確認が終わり問題の京香さんが襲われるきっかけになった。あるいは事件解決の糸口になるであろう動画を見せられる。
そこには誰かから逃げ隠れる京香さんの姿があった。
京香「私達はこの湖には来ては行けなかった、まずは平田くんあなたには私が本物かわかるはず、次にまだ皆には知って欲しくない、いち早くこの湖から離れなければならない。理由は今は話せない、あと私が生きていれるか分からない。だから動画に残しています。」
ガサッガサッガサッ!
京香「やばい彼らが来た!お母さんまだ私しになくないよ…平田、たすけてよ…」
京香さんはこの時なにかに気が付き何者かにおわれていたのだろう、だがこの時間帯は湖でみんなを待っていたと思われる。だとしたらそこにいた京香さんは何者だったのか、謎が深まっていくばかりだ。ただ何者かは集団でありこの湖でやばいことが起きてるのは間違いないようだ。
すると、
??「こんなところにいたのか、だがお前は終わりだお前も関係者なのだろう?ではここにいるということはなかったことにしなければならない。」
京香「いや!やめて!誰か!気づいて!キャァ!」
ドサッ!
??「……ッチ!」
そこで動画は終わったが動画には犯人のひとりと思われる人物が映っていた、目元と体格しか分からなかったがこの体格と目元は見た事がある、いやずっと一緒にいて間違う方が難しい。
北山「…山羊か?なんでここに山羊がいるんだ?」
加藤「やはり皆さんも山羊くんだと言っていました。あなたも山羊くんで間違いないのですか?」
北山「この体格はおそらく山羊だとおもいます…、でも山羊は佐藤や小栗さんと一緒にいたはずなのにこの動画に写っているんですか!」
加藤「分かりませんがここに山羊くんが映っていたのであれば犯人と疑っても仕方ないですよね、私も彼がやったとは思いたくないですが、人は隠し事が多すぎる。これから話を聞く必要がありますね。」
加藤が話終えると小栗さんと交代することになった、だが疑問が多すぎる、山羊が殺したのであれば京香さんになんの恨みがあったのか、あの場にいた京香さんと山羊は誰だったのか動画では分からないと言っていたが時間と行動が矛盾している。
それから京香さんが言っていたここにいてはいけないとはどういう意味だったのか、疑問は膨らむばかりである。
小栗さんの事情聴取が終わり山羊が中に入りしばらくして加藤さんに連れられて山羊が出てきて大神さんと一緒に車に乗せられる。
山羊「俺はやってねぇって!佐藤!北山!証言してくれよ!俺がなんで京香さんを殺さなきゃなんねぇんだよ!おかしいだろ!」
佐藤、北山「….、」
山羊「…なぁなんだよ、俺を疑ってるのかよ笑笑、あの動画なら仕方ないよな…、でも俺はやってないんだ!信じてくれ…頼む」
北山「…わかった、こっちでも何が起きてるのかちょっと調べてみるよ」
山羊「北山、頼んだ!でも気をつけるんだぞ!この湖は変なことが起きすぎてる偶然が重なりすぎてる時は誰かが仕組んでる時だ!死ぬんじゃねぇぞ!!」
北山「わかってる、だから心配すんな!お前が帰ってきたら全部解決して、そしたら弔いと飲みにでも行こうぜ、」
山羊を乗せた車はゆっくりと出発する。俺たちは京香さんに降りかかった不幸と彼らと呼ばれる集団、それから山羊と京香さんに化けた何者かの存在の真相を暴き出し残りの全員で生きてこの湖から無事に帰ることを目標にこの事件について捜査を始めた。
5日目
昨日は警察に事情聴取や現場の確認などで疲れているであろうから宿に帰るように言われ、女の子達を宿泊先に帰し、佐藤、平田、自分で作戦会議を始めた。だが動画からの情報が少なすぎて調べることが出来なかった、しかも宿には警察が警備しており、無闇に外出も出来なかったので情報を整理しその日は寝た。
いつもより早く起きてテレビをつける、何かこの湖での事件で進展がないのか探すためだ、っとそこに思いがけないニュースが入る。
女子アナ「今日午前3:00頃○○湖にて、女子大生殺人事件の犯人と思われる人物を乗せた車両が落石により横転、警察2名は行方不明、犯人と思われる人物は意識不明の重体となっております。」
………はぁ?…落石?そんな偶然が起きるのか?、そこで昨日山羊に言われたことを思い出す。「偶然が重なりすぎてる時は誰かが仕組んでる時だ!」、これは自然に起きた事故じゃない、彼らが山羊、加藤さん、大神さんを襲ったんだ、それなら加藤さん、大神さんは今どこに行ったんだ。
女子アナ「ここで緊急速報です。落石にあい意識不明の重体となっていた人物がつい先程死亡したとのことです。死因は落石による衝撃との事です。」
山羊が死んだ。京香さんに続き山羊まで殺された。俺らは何も知らないまま、このまま殺されていくのを待つしかないのか?
途方に暮れている時にいらないことを思い出してしまう。
山羊「なぁ!この絵画ってどんな作品なんだ?」
北山「これは雇われ羊飼いって作品で、金で雇われただけの羊飼いが羊の面倒もみずに羊達に起きようとしてる悲劇に見向きもしようとしない哀れな羊飼いと羊達を書いた作品だよ」
山羊「へぇ〜、なんか残酷な絵画だな。こんな無責任なやつ許せねぇなぁ。お前だったらこんな悲劇は起こさないだろうな笑笑」
北山「そうだなぁ〜、でも羊達も知能があればまだ諦める必要なかったと思うんだよなぁ」
あぁ、そうだ!俺達にはただ従うだけの羊じゃない!反撃する手段は考えればあるんだ。
…そういえば加藤さんや大神さんはどうなったんだ、現場に姿がなかったのであればまだ生きている可能性が高い。最初にやることは決まった。京香さん、山羊の分をやり返さなければならない。