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言葉
「言葉は不完全だが、無意味というわけでもない」
「つまり?」
「言葉を使い尽くしても、自分の思いを完璧に伝える事は不可能だ」
「確かに。誤解する事が多いもんね」
「でも、少なくとも一部は伝わる」
「うん」
「そして言葉は、それを口に出した時、本人の隠している部分も少しだけ漏らす」
「そうなの?」
「俺はそうだと思う。どれだけ上手く隠していたとしても、話すうちにその人の本音や本質は滲み出てくる」
「えー?」
「感じた事は無いか? 会話の中で自分が馬鹿にされている様な気分になったり、相手が周りを見下しているように見えたり」
「ある……かも」
「本人は優しく諭しているつもりだったり軽い注意のつもりかもしれないが、声音や声量、言葉選びに心の奥底のほんの少しが漏れ出てくる。それを周りの人が無意識のうちに感じ取る」
「あー」
「ってことだ。だから隠すな、諦めろ。お前の本質なんてとっくにみんな気づいてる」




